2012/4/16

総合 –EUウオッチャー

欧州中銀が金利据え置き、総裁は“出口戦略”検討を否定

この記事の要約

欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は4日の定例政策理事会で、ユーロ圏17カ国に適用される最重要政策金利を現行の年1%に据え置くことを決めた。金利据え置きは4カ月連続。一方、ドラギ総裁は理事会後の記者会見で、非常時の金融政 […]

欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は4日の定例政策理事会で、ユーロ圏17カ国に適用される最重要政策金利を現行の年1%に据え置くことを決めた。金利据え置きは4カ月連続。一方、ドラギ総裁は理事会後の記者会見で、非常時の金融政策を元に戻す“出口戦略”について、「検討するのは時期尚早」と述べ、当面は緩和的な政策を継続する意向を示した。

\

ECBはユーロ圏の信用不安、景気対策として昨年11月から金利を過去最低水準としているほか、暫定的な措置として流通市場での国債購入、市場への資金大量供給を実施。その結果、信用不安は小康状態を保っている。

\

同措置をめぐっては、理事会メンバーであるドイツ連邦銀行(中央銀行)のヴァイトマン総裁が、12月と2月末に計1兆ユーロの長期資金を供給したことでインフレ圧力が強まっているとして、出口戦略に着手するべきとの見解を示している。しかし、ドラギ総裁は記者会見で、ユーロ圏の景気状況が改善しておらず、失業率が過去最悪の水準にあることに言及。長期資金供給の効果を見極めるまで時間が必要として、「現時点での出口戦略検討は時期尚早だ」と述べた。ヴァイトマン総裁の言動に関しても「最終決定権はECBの総裁にある」とクギを刺した。

\