2012/10/22

産業・貿易

対イラン経済制裁、EUが追加措置

この記事の要約

EUは15日に開いた外相理事会で、核兵器の開発が疑われているイランに追加制裁を科すことで合意した。イラン中央銀行をはじめとする同国の金融機関とEUの金融機関との取引を禁止するほか、エネルギー・輸送分野における制裁措置を強 […]

EUは15日に開いた外相理事会で、核兵器の開発が疑われているイランに追加制裁を科すことで合意した。イラン中央銀行をはじめとする同国の金融機関とEUの金融機関との取引を禁止するほか、エネルギー・輸送分野における制裁措置を強化。資産凍結の対象も拡大する。

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今回の措置では、人道支援や医療目的で事前の承認を得た場合を除き、EU域内の銀行がイランの金融機関と取引することを禁止する。また、新たに資産凍結の対象としたのは、イランの石油・ガス関連の国営企業など34の企業・団体と1個人。イラン国営石油会社(NIOC)と子会社、イラン国営ガス会社(NIGC)、イラン国営石油精製供給会社(NIORDC)、国営タンカー会社に加え、複数の銀行が含まれている。

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このほか、イランの核開発や弾道ミサイル計画に使用されている可能性がある黒鉛、金属、ソフトウエアについても、EUからの輸出を禁止。EU企業がイラン産石油・ガスの輸送と貯蔵に関与すること、海軍・造船業関連の取引を行うことも禁じる。

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欧米からの制裁によって、イランは石油の輸出量が半減。通貨リアルの対米ドルレートは年初から50%下落している。リアルの暴落に伴ってインフレが加速しており、国民は経済情勢の悪化に苦しんでいる。最近では、制裁の影響を否定してきたイラン政府も論調を変え始めており、欧米がイランに “経済戦争”を仕掛けていると批判を強めている。

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