2013/6/10

総合 –EUウオッチャー

独がスペイン中小企業の資金繰り支援、雇用改善を主眼に

この記事の要約

ドイツ政府がスペインの中小企業を支援するため、10億ユーロの低利融資を提供する。雇用の大きな窓口となっている中小企業の資金繰りを改善することで、同国の失業率悪化に歯止めをかけるのが狙い。政府系金融機関のドイツ復興金融公庫 […]

ドイツ政府がスペインの中小企業を支援するため、10億ユーロの低利融資を提供する。雇用の大きな窓口となっている中小企業の資金繰りを改善することで、同国の失業率悪化に歯止めをかけるのが狙い。政府系金融機関のドイツ復興金融公庫(KfW)を通じて実施する。英フィナンシャル・タイムズなど欧州の複数メディアが3日に報じた。

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政府がこのほどまとめた支援案では、スペイン政府系金融機関である開発金融公庫(ICO)の中小企業向け融資能力を増強するため、KfWがICOに8億ユーロを低利で融資する。さらにKfWは、ICOの既存の中小企業支援プログラムに2億ユーロを出資する。

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欧州中央銀行(ECB)は政策金利を過去最低の年0.5%に引き下げているが、スペインの銀行は経営が厳しいため、これを大きく上回る金利で企業に貸し出している。このため中小企業に資金が行き渡っていない。

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KfWはドイツの高い信用力を背景に低コストで調達した資金をICOに融通することで、ICOが中小企業に低利で貸し出すことができるようにする。これによって景気低迷に直面するスペイン経済を活性化し、失業率が50%を超える若者を中心とする雇用促進を図る。

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ドイツ政府はスペインと同じ状況に陥っているユーロ圏のポルトガルなどにも同様の支援を実施することを検討している。

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