欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/8/24

EU情報

16年の銀行ストレステスト、最大60行対象に=ECB

この記事の要約

欧州中央銀行(ECB)の広報官は21日、ユーロ圏の主要銀行に対するストレステスト(健全性審査)について、2016年は最大で60行が対象になるとの見解を明らかにした。ECB銀行監督委員会のヌイ委員長が前日、フィンランドの公 […]

欧州中央銀行(ECB)の広報官は21日、ユーロ圏の主要銀行に対するストレステスト(健全性審査)について、2016年は最大で60行が対象になるとの見解を明らかにした。ECB銀行監督委員会のヌイ委員長が前日、フィンランドの公共放送YLEとのインタビューで発言した内容を確認したもの。ECBが14年に実施したストレステストでは130行が審査対象となっていた。

EUでは2010年から域内の主要行に対するストレステストを実施している。ECBがユーロ圏の銀行を担当する一方、欧州銀行監督機構(EBA)が非ユーロ圏を含むEU加盟国の銀行を審査する形で、全体の半数以上が両機関による審査の対象になっている。昨年はストレステストに加え、資産の質を精査する資産査定(AQR)を実施。その結果、25行が資本不足で「不合格」となり、13行が資本増強を求められた。EBAは14年の包括的なテストを通じて域内銀行の資本増強が進んだとして、今年はバランスシートやポートフォリオの点検にとどめ、次回のストレステストは16年に実施する方針を打ち出している。

ヌイ委員長は番組の中で「EBAの基準に沿って来年実施するストレステストの規模を決定するが、50-60程度の銀行が対象になると考えている」と述べた。