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2014/11/26

ロシア

露VTB、Q3大幅減益、追加支援を要請

この記事の要約

ロシア2位銀行の政府系VTBバンクが20日発表した2014年7-9月期決算は、純利益が前年同期比98%減の4億ルーブルとなり、上半期の82%減に続く大幅減益となった。1-9月期ベースの純利益は前年同期比88.3%減の54 […]

ロシア2位銀行の政府系VTBバンクが20日発表した2014年7-9月期決算は、純利益が前年同期比98%減の4億ルーブルとなり、上半期の82%減に続く大幅減益となった。1-9月期ベースの純利益は前年同期比88.3%減の54億ルーブル。貸倒引当金が前年同期比117%増となる1,578億ルーブルに膨らんだことが響いた。

景気の悪化とウクライナ危機の影響で貸付先の支払い状況が悪化しており、9月のROE(株主資本利益率)は前年同期の7.4%から0.8%にまで低下した。また不良債権比率は13年末の4.7%から6%に悪化した。

資金繰りに窮したVTBに対し、政府は9月に2,140億ルーブルに上る資本注入を実施。Tier 1比率(中核的自己資本比率)は9月末時点で11%と、6月末の9.4%に比べやや改善した。しかしシルアノフ財務相は20日、VTBから新たに2,500億ルーブルの追加支援要請があったことを明らかにする一方、その全額を融資することは困難との声明を発表した。

同行は1-9月期にウクライナ危機に関連して生じた損失は401億ルーブルに上るとしている。加えて13年末以来株価下落に苦しむロシアの石炭・鉄鋼大手メーチェルの債務も負担となっており、14年通期での純利益は小さいものにとどまると予想している。(1RUB=2.55JPY)