工業ガス大手の独Linde(ミュンヘン)が5年前に立ち上げた衣類のクリーニングサービス事業から撤退する。当初の予想に反して需要が低迷しているためで、すでに国内で展開する10拠点のうち7拠点をクリーニング事業者に売却。残り3拠点も売却先を模索中だ。『フランクフルター・アルゲマイネ』紙の問い合わせに同社の広報担当者が明らかにした。
\Lindeは2006年、液体炭酸ガス(LCO2)を利用したクリーニングサービスを「Fred Butler」のブランド名で開始した。環境負荷が大きい石油系溶剤でなく炭酸ガスを使うことで、環境保護意識が高い消費者やアレルギー患者など需要の取り込めると予想。消費者向け事業を育成し、事業の多様化を進める狙いだった。だが、消費者のニーズを掘り起こすことはできず、売上高は2010年時点で200万ユーロにとどまっていた。
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