ドイツ機械工業連盟(VDMA)は13日、国の補助金を受けて国外で受注を獲得したり買収を行う中国企業に制裁などの措置を取れるようにすることを欧州連合(EU)と独政府に要求した。これまでは親中的な姿勢を示してきたが、「不当な安値」で応札する中国企業に受注を奪われる独機械メーカーが増えていることから、方針を転換した。
中国企業はEU域内で行われる入札にしばしば信じがたいほどの低価格で応札し、受注を獲得している。VDMAのティロ・ブロットマン専務理事は『フランクフルター・アルゲマイネ』紙に、「(VDMAの)会員企業であれば材料費にも満たない価格で中国企業は応札する」と指摘。中国企業はひそかに補助金を受けて公正な競争をゆがめているとして、補助金調査を強化するとともに、そうした企業が公共入札で受注を獲得できないようにすることを要求した。
また、中国企業は人権や労働基準、持続可能性などの最低基準を遵守していないと強調し、そうした企業を公共入札から排除するルールの導入を求めた。
さらに、中国が自国市場の開放を制限し続けていることへの対策も要求した。同国が透明で差別のない市場参入を外資に認めない限り、同国企業のEU市場参入を制限するよう求めている。