2010/7/5

産業・貿易

EU製留め具への反ダンピング措置、中国が本格的発動

この記事の要約

中国政府は6月28日、EU製のねじ、ボルトなど炭素鋼製の留め具に暫定的に適用してきた反ダンピング措置を本格発動すると発表した。29日付でEU製品に6.1~26%の反ダンピング関税を課す。同措置は期間5年。\ EUは昨年1 […]

中国政府は6月28日、EU製のねじ、ボルトなど炭素鋼製の留め具に暫定的に適用してきた反ダンピング措置を本格発動すると発表した。29日付でEU製品に6.1~26%の反ダンピング関税を課す。同措置は期間5年。

\

EUは昨年1月、中国の留め具メーカーが不当な廉価で輸出し、域内業界に打撃を与えているとして、中国製品に最高85%の反ダンピング関税の適用を開始した。これを不服とする中国政府は、EUの決定を「不公正で不透明」な保護主義的なもので、WTOのルールに反するとして、7月に提訴。さらに中国は、EU側も炭素鋼製の留め具をダンピング輸出しているとして、12月末から暫定的に最高24.6%の反ダンピング税を課していた。

\

EUは中国が革靴など多くの製品をダンピング輸出していると批判し、厳しく対処している。これに対して中国側は強く反発し、EUが中国の反発を押し切って同国製革靴に対する反ダンピング措置適用の延長を決めた翌日にEU製の留め具に対する暫定的な反ダンピング措置を発動した。

\

EUは21日、中国製の陶磁器タイルを対象に反ダンピング調査を開始したことを明らかにしたばかり。さらに30日には、中国製の無線通信用モデムを対象に反ダンピング(不当廉売)調査を開始したことを明らかにしており、双方の通商紛争は激化の一途をたどっている。

\