2010/9/6

産業・貿易

EUと豪州の貿易協定が発効、ワインの地理的表示を保護

この記事の要約

ワインの地理的表示の保護を盛り込んだEUと豪州の貿易協定が1日に発効した。これにより豪州のワイン生産者は、来年8月末までに「シャンパン」などの表示の使用を国内やEUを含む全世界で取りやめる。その代わりに豪州の地理的表示な […]

ワインの地理的表示の保護を盛り込んだEUと豪州の貿易協定が1日に発効した。これにより豪州のワイン生産者は、来年8月末までに「シャンパン」などの表示の使用を国内やEUを含む全世界で取りやめる。その代わりに豪州の地理的表示などを保護するとともに、豪州産ワインのEUへの輸入手続きも簡素化される。

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この協定は1994年に結ばれた協定に代わるもので、2008年12月に締結された。豪州政府は批准手続きを進め、今年7月27日にEU側に対して手続きが完了したことを通知していた。

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施行後1年以内に豪州の生産者が使用できなくなる表示には、「シャンパン」のほかに「ポート」や「シェリー」、「ブルゴーニュ」、「シャブリ」、「グラーブ」、「マンザニラ」、「マルサラ」、「モーゼル」、「ソーテルヌ」などがあり、「アモンティリャード」や「クラレット」、「アウスレーゼ」といった用語も含まれる。ただし、「ビンテージ」や「クレム」、「タウニー」のような用語は一定条件の下で使用できる。また、ハンガリー産の甘口白ワインを表す「トカイ」については今後10年間の使用が認められた。

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一方で、豪州産ワインの地理的表示として「クーナワラ」や「バロッサ」、「マーガレット・リバー」など117の表示も保護の対象となる。豪州の生産者はすでに発泡ワインに対する「シャンパン」の表示をやめているが、国内の消費者からの反発などはないという。

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昨年のEUから豪州へのワイン輸出額は6,800万ユーロだったが、豪州からEUへの輸出額は約10倍の6億4,300万ユーロに上っている。

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