2010/9/6

総合 –EUウオッチャー

オランダで中道右派と極右の連立交渉決裂、新政権発足のめど立たず

この記事の要約

6月の総選挙以来、未だに新政権が樹立されていないオランダで、第1党となった自由民主党と第4党に転落したキリスト教民主勢力の中道右派連合と、第3党に躍進した極右政党・自由党の間で行われていた連立協議が3日、決裂した。自由民 […]

6月の総選挙以来、未だに新政権が樹立されていないオランダで、第1党となった自由民主党と第4党に転落したキリスト教民主勢力の中道右派連合と、第3党に躍進した極右政党・自由党の間で行われていた連立協議が3日、決裂した。自由民主党と自由党は移民政策の厳格化などで一致しているものの、反イスラムを標榜する自由党が政権入りすれば宗教の自由が脅かされるとしてキリスト教民主勢力が連立に難色を示し、交渉が打ち切られた。自由民主党は今後、第2党の労働党とキリスト教民主勢力との3党連立を目指すものとみられるがが、労働党とは経済政策で隔たりが大きく、新政権発足に向けた連立協議はさらに長引きそうだ。

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比例代表制が採用されているオランダでは1つの政党が単独で下院の定数150議席の過半数を占めることは難しく、複数政党による連立が通例となっている。6月の総選挙では徹底した財政赤字削減を訴えて31議席を獲得した自由民主党が労働党(30議席)を抑えて第1党となり、自由党も議席数を9から24に伸ばして第3党に躍進。一方、過去8年間にわたって首相を務めたバルケネンデ氏の出身政党であるキリスト教民主勢力は、改選前の半分に満たない21議席に沈んで第4党に転落した。

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自由党のウィルダース党首は3日の記者会見で「キリスト教民主勢力に対する自由党の信頼は著しく低下した。わが党に混乱の原因があるわけではない」と強調。これに対し、キリスト教民主勢力のフェルハーヘン党首はくり返し宗教の自由に関する懸念を表明。自由党が掲げるイスラム諸国からの移民受け入れ停止などの主張に応じることはできないとの考えを示した。

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