2010/9/13

産業・貿易

ドイツの公的賭博による独占は「不当」=欧州裁

この記事の要約

欧州司法裁判所は8日、ドイツの各州政府によるスポーツ賭博や宝くじの独占を保証している国内法は不当であり、EU法に違反するとの判決を下した。これは域内他国のオンライン賭博業者数社が訴えていたもので、すでに独連邦憲法裁判所も […]

欧州司法裁判所は8日、ドイツの各州政府によるスポーツ賭博や宝くじの独占を保証している国内法は不当であり、EU法に違反するとの判決を下した。これは域内他国のオンライン賭博業者数社が訴えていたもので、すでに独連邦憲法裁判所も2006年に同様の見解を示している。

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これまで欧州裁は、各国政府が他国の業者によるオンライン賭博を規制している問題について、賭博での散財を扇動することを阻止し賭博への依存や不正に対処するという公共利益が証明されればオンライン賭博を規制できるとの判断を示していた。しかし今回の場合、各州政府は大々的に賭博広告を展開しているほか、カジノやスロットマシンでは民間業者の参入を認めていることから、欧州裁はドイツの規制について一貫性に欠け賭博への依存を制限するうえで体系的ではないと説明している。

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今回の裁判はオーストリアのハッピーベット・シュポルトヴェッテンやウェブ・ドット・コイン、マルタのティピコ、英国のハッピー・ベット、ジブラルタルのデジベットの提訴によるもの。今回の判決に従ってドイツ政府は国内法の見直しを迫られる。

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欧州の公的賭博業者の団体である欧州ロッタリーズは、「欧州司法裁が賭博の自由化を支持したわけではない」と指摘。ドイツの公的業者は広告を削減する必要があるとして、「判決に従えばドイツでも引き続き独占が認められる」と主張している。ただ広告以外にも国内法の一貫性の欠如が問題とされており、対応は単純ではないとされる。一方、民間業者は新たな法規を求めている。

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