2010/9/13

産業・貿易

EUがマレーシアとのFTA交渉開始を決定、対韓国FTAは伊が承認拒否

この記事の要約

EU加盟国は10日開いた外相・貿易相理事会で、マレーシアとの自由貿易協定(FTA)締結に向けた交渉を開始することで合意した。東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国ではすでにシンガポールがEUとのFTA交渉に入っているほか […]

EU加盟国は10日開いた外相・貿易相理事会で、マレーシアとの自由貿易協定(FTA)締結に向けた交渉を開始することで合意した。東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国ではすでにシンガポールがEUとのFTA交渉に入っているほか、ベトナムも今年3月に交渉開始で合意しており、マレーシアは3カ国目となる。マレーシアにとってEUは4番目の貿易相手地域であり、2009年の貿易額は244億ユーロに達した。

\

一方、韓国とのFTAに関しては、韓国製自動車の大量流入を懸念するイタリアが承認を拒否し、13日の外相理事会で改めて協議することになった。イタリアは関税引き下げで輸入が急拡大し、国内産業が打撃を受けた場合に関税を元の水準まで引き上げる「セーフガード(緊急輸入制限措置)」の発動条件に難色を示しているもようで、協定の発効時期を遅らせるよう要求しているとされる。

\

EU議長国ベルギーのファンアケレ外相は会議後の会見で、残る作業は「最終的な文言の調整」だけだと述べ、「加盟国による承認手続きはほぼ完了に近づいている。早ければ13日にも合意できるだろう」と強調。欧州委員会のデグフト委員(通商担当)も10月6日に開くEU・韓国首脳会議での署名を経て、年内のFTA発効を目指す方針を改めて示した。

\