西アフリカのコートジボワールで昨年11月に行われた大統領選決選投票をめぐり、現職のバグボ大統領が野党指導者のワタラ元首相の勝利を認めず、退陣を拒否している問題で、EUは今月14日付で同大統領の側近や陣営の資金源になっている団体や企業などを対象に、査証の発給停止や資産凍結などの制裁措置を発動した。制裁の対象となる組織には2つの主要港、カカオ豆とコーヒー取引の管理団体、3つの銀行、国営石油会社などが含まれており、EU域内の貿易業者がこれらの組織と取引を行うことは全面的に禁止される。
\コートジボワールでは2002－03年の内戦で、ワタラ元首相を支持する反政府組織「NF」が支配する北部とバグボ大統領派の南部に分断された。大統領選決選投票では選管がワタラ氏の当選を発表したが、これを不服とするバグボ大統領の訴えを受けた憲法評議会がバグボ氏の当選を認定。双方が就任宣誓を行う事態となり、政情不安が続いている。
\EU加盟国は先月開いた外相会議で、民主的に選出されたワタラ元首相に大統領の座を譲ることを拒み、選挙結果を覆したとバグボ大統領を強く批判。同陣営に対する制裁を発動すると警告していた。
\アシュトン外務・安全保障政策上級代表兼欧州委員会副委員長の報道官は20日、「正当性のないバグボ政権の活動を支えるあらゆる資金源を絶つことが制裁措置の目的」と説明。制裁対象リストにある企業や団体との取引は違法行為になると明言した。AP通信がEU外交筋の話として報じたところによると、EUは12月末にバグボ大統領と夫人、側近など59人に対し、査証の発給を停止。今月14日付で同措置の対象を合わせて85人に拡大すると共に、同陣営を資金面で支援する11の企業や団体の資産凍結を決定した。
\コートジボワールはチョコレートの原料となるカカオ豆の世界最大の生産地。EUの制裁発動を受け、カカオ豆の国際価格は20日、過去6週間で最高値を記録した。
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