2011/1/24

環境・通信・その他

欧州委、主要空港に降雪時の危機管理計画策定を指示

この記事の要約

欧州委員会は19日、降雪の影響でクリスマス休暇の旅行シーズンに欧州の航空網が大混乱した事態を受け、域内の主要空港に対し、10月までに再発防止に向けた危機管理計画を策定するよう指示した。欧州委は今回のトラブルについて、空港 […]

欧州委員会は19日、降雪の影響でクリスマス休暇の旅行シーズンに欧州の航空網が大混乱した事態を受け、域内の主要空港に対し、10月までに再発防止に向けた危機管理計画を策定するよう指示した。欧州委は今回のトラブルについて、空港側が十分な降雪対策を怠ったことが混乱の拡大を招いたとの見方を示し、今夏にまとめる空港管理に関する一連の法案に悪天候を想定した新たなルールを盛り込む方針を示唆している。

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欧州ではクリスマス前の大寒波で、ロンドンのヒースロー空港をはじめとする主要空港が軒並み全面または部分閉鎖を余儀なくされ、先月だけで3万5,000便が欠航した。欧州委によると、これは2009年の欠航便数を上回っている。今回の混乱では、除雪車や凍結防止剤の準備など、降雪対策を怠った空港側に責任があるとの見方が広がっていた。

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欧州委のカラス副委員長(運輸担当)は同日、ロンドン、パリ、フランクフルト、アムステルダムなど域内12の主要空港のトップをブリュッセルに召集し、降雪によるトラブルの再発防止に向けた対応策ついて協議した。

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同副委員長は昨年4月にアイスランドの火山噴火で欧州の空が大混乱した事態に触れ、「航空業界にとって火山の噴火を予測することは難しいが、冬の降雪は毎年くり返されていることであり、十分な対策を講じる必要がある」と指摘。欧州中部で一晩に30センチの雪が積もれば「非常事態」だが、わずか1センチの降雪で運航をキャンセルすることは「受け入れられない」と述べ、空港側に対策の強化を求めた。欧州委は3月に空港管理会社、航空会社、地上業務の管理会社など関係する各方面の責任者を集め、悪天候など不測の事態に備えた危機管理や責任の分担などについて協議する方針を示している。

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