2011/7/18

産業・貿易

中国製の留め具めぐる通商紛争、EUの敗訴が確定

この記事の要約

EUによる中国製留め具に対する反ダンピング措置をめぐる通商紛争で、世界貿易機関(WTO)の上訴委員会は15日、EUのダンピング措置を協定違反とする裁定を下した。これによって同紛争でのEUの敗訴が確定した。\ EUは200 […]

EUによる中国製留め具に対する反ダンピング措置をめぐる通商紛争で、世界貿易機関(WTO)の上訴委員会は15日、EUのダンピング措置を協定違反とする裁定を下した。これによって同紛争でのEUの敗訴が確定した。

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EUは2009年1月、中国の留め具メーカーが家具、建築など幅広い分野で使われる金属製のねじ、ボルトといった留め具を不当な廉価で輸出し、域内業界に打撃を与えているとして、最高85%に上る反ダンピング関税の適用を開始した。これに対して中国政府は、WTOのルールに反する不当な措置として、同年7月に提訴。WTOのパネルは昨年12月、中国側の訴えを認め、EUのダンピング措置を協定違反とする裁定を下したが、EU は不服として上訴していた。

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上訴委員会は、EUは域内業界の「大部分」が中国のダンピングで打撃を受けたと主張しているが、EUが被害を立証できたのは業界の27%に過ぎないと指摘。さらに、反ダンピング税の算定に際して、EUが中国を市場経済国とみなさず、ダンピングを国策として一括で扱ったが、企業単位で扱わなければならなかったとして、EUの措置を不当と認定した。

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EUと中国のWTOを舞台とする通商紛争で、中国が勝訴するのは初のケースとなる。

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