2012/3/12

総合 –EUウオッチャー

ECBが金利据え置き、「出口戦略」も示唆

この記事の要約

欧州中央銀行(ECB)は8日の定例政策理事会後で、ユーロ圏17カ国に適用される最重要政策金利を現行の年1%に据え置くことを決めた。金利据え置きは3カ月連続。11月から金利を過去最低水準としているほか、市場への資金大量供給 […]

欧州中央銀行(ECB)は8日の定例政策理事会後で、ユーロ圏17カ国に適用される最重要政策金利を現行の年1%に据え置くことを決めた。金利据え置きは3カ月連続。11月から金利を過去最低水準としているほか、市場への資金大量供給で信用不安が落ち着いていることから、現時点で追加金融緩和は不要と判断した。

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ECBが同日発表した内部経済予測では、今年のユーロ圏の域内総生産(GDP)伸び率はマイナス0.1%となり、前回のプラス0.3%から大幅に下方修正された。ただ、ドラギ総裁は理事会後の記者会見で、ユーロ圏経済には「なお下振れリスクがある」としながらも「最近のデータでは、経済安定の兆しがある」とコメント。12月と2月末に合わせて1兆ユーロを供給したことについて「紛れもない成功と言える。リスク環境が著しく改善した」述べた。

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その上で総裁は、債務危機対策に関して「いまやボールは政府のコートにある」として、各国政府の財政再建に向けた構造改革などの実施に焦点が移ったとの認識を表明。ECBの量的緩和、流通市場での国債買い入れなどが一時的措置であることを改めて強調した。

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市場では一連の発言について、ECBが追加金融緩和に否定的で、非常時の金融政策を元に戻す「出口戦略」を検討し始めたことを示すとの見方が出ている。

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