2012/10/22

総合 –EUウオッチャー

バルカン諸国にビザ規制再導入、独仏など6カ国が申請

この記事の要約

欧州委員会は15日、ドイツ、フランスなどEU6カ国が、バルカン諸国の旅行者からの渡航者に対するビザ規制の再導入を申請したことを明らかにした。難民申請の急増を受けたもので、6カ国は一時的にビザ規制を復活し、不法移民の流入を […]

欧州委員会は15日、ドイツ、フランスなどEU6カ国が、バルカン諸国の旅行者からの渡航者に対するビザ規制の再導入を申請したことを明らかにした。難民申請の急増を受けたもので、6カ国は一時的にビザ規制を復活し、不法移民の流入を阻止したい考えだ。

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再導入を申請したのはドイツ、フランス、オランダ、オーストリア、ベルギー、ルクセンブルクの6カ国。

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EUは現在、加盟を目指すバルカン諸国のうちモンテネグロ、マケドニア、セルビア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、アルバニアについて、2009年から10年にかけて、市民が「シェンゲン協定」加盟国を旅行する際のビザ取得義務を免除した。欧州委の報道官によると、ドイツなど6カ国では、同措置によってバルカン諸国の市民が事前審査なく入国できるようになったことで、入国後に難民を装って不法に移民しようとする偽装難民が急増し、その処理に当局が忙殺されているとして、ビザの再導入を求めている。

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EU加盟国はビザ規制を復活させることができるが、手続きに時間がかかり、実現まで2~3年が必要となる。欧州委は昨年5月、EUが域外の第三国に認めた旅行者のビザ(査証)取得義務免除を一時的に取り消すことができるようにすることを提案。ある加盟国がビザ復活を求めた場合、手続きを簡素化し、緊急セーフガード措置として認める方針を打ち出した。しかし、法制化の手続きが遅れていることから、6カ国は新ルールの導入を待たず、現行の手続きを通じての規制復活に動いた。

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