2012/11/19

産業・貿易

女性役員比率を4割に、欧州委が義務化案発表

この記事の要約

欧州委員会は14日、EU域内の上場企業に対し非業務執行役員に占める女性の割合を2020年までに最低40%に引き上げることを義務づける法案を発表した。対象となるのはEUで上場する約5,000社で、従業員数250人以下、年間 […]

欧州委員会は14日、EU域内の上場企業に対し非業務執行役員に占める女性の割合を2020年までに最低40%に引き上げることを義務づける法案を発表した。対象となるのはEUで上場する約5,000社で、従業員数250人以下、年間売上高5,000万ユーロ以下の中小企業は除外される。公的企業には18年までの達成を求める。

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EU域内の上場企業では現在、取締役役員の91.1%、監査役や社外取締役などの非業務執行役員の85%を男性が占めている。欧州委は昨年、企業における男女格差の是正するため、20年までに役員に占める女性の割合を40%に引き上げる指針を打ち出したが、企業の自主的な取り組みでは目標達成が難しいと判断、法制化に乗り出していた。

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企業経営の自由を尊重するという観点から、女性比率の引き上げ対象は、日常業務に直接関与しないが企業統治の面で重要な役割を果たす非業務執行役員に絞られた。欧州委は当初、規定に従わない企業に違反金の支払いを命じたり、政府の入札への参加禁止や公的補助金の対象外とするなどの制裁措置を盛り込む考えだったが、一部加盟国からの強い反対を受けて具体的な罰則は設けず、対応は各加盟国に委ねることになった。

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法案は、欧州議会と首脳会議の賛同を経て成立する。欧州委は声明で、「女性の幹部登用を阻む『ガラスの天井』を打ち破る画期的な提案だ」と意義を強調し、加盟国に対して速やかな法案の承認を求めた。

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