2013/5/21

産業・貿易

中国製通信機器にも反ダンピング調査、欧州委が方針決定

この記事の要約

欧州委員会は15日、中国製の通信設備について、反ダンピング(不当廉売)および反補助金調査を開始する方針を打ち出した。ただし、当面は調査を実施せず、中国側との交渉による問題解決を目指すとしている。\ 欧州委が問題視している […]

欧州委員会は15日、中国製の通信設備について、反ダンピング(不当廉売)および反補助金調査を開始する方針を打ち出した。ただし、当面は調査を実施せず、中国側との交渉による問題解決を目指すとしている。

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欧州委が問題視しているのは、携帯電話用の通信設備。中国メーカーが政府の補助金を後ろ盾にして、製品を不当な廉価でEU市場に輸出している疑いがあるとしている。対象メーカーは不明だが、華為技術(Huawei)、中興通訊(ZTE)などを標的にしているとみられる。

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EUは反ダンピング、補助金問題で、域内事業者からの要請を受けて調査に乗り出すのが通例だが、今回のケースでは欧州委が独自の判断で調査を行う。これは、域内の事業者が問題を提起することで相手国側から報復措置を受ける恐れがある場合に適用する手続きだ。

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EUと中国の通商摩擦は強まっており、欧州委は太陽光パネル、鋼材、自転車などで反ダンピング調査を実施中。欧州委が抱える31の調査案件のうち、中国関連は18件に上る。太陽光パネルをめぐっては、暫定的な反ダンピング税を課すことを8日に決めたばかりだ。

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今回のケースで即時の調査開始を見送ったのは、紛争のさらなる激化を避ける配慮があると目される。

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