2013/5/27

環境・通信・その他

国境を越えたペット同伴移動が容易に、欧州議会が法案可決

この記事の要約

欧州議会は23日の本会議で、EU域内の国境を越えたペットの移動を容易にするための法案を賛成多数で可決した。ペットを飼育する家庭が急増している現状を踏まえ、狂犬病ワクチンが有効であることなどを条件に、旅行やスポーツイベント […]

欧州議会は23日の本会議で、EU域内の国境を越えたペットの移動を容易にするための法案を賛成多数で可決した。ペットを飼育する家庭が急増している現状を踏まえ、狂犬病ワクチンが有効であることなどを条件に、旅行やスポーツイベントへの参加など、非営利目的で域内を移動する際の手続きを大幅に簡素化する。加盟国は新ルールに沿って18カ月以内に国内法を整備することが義務づけられる。

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EU内ではおよそ6,400万匹の猫と6,600万匹の犬が飼育されており、ペットのいる家庭は全世帯のおよそ4分の1に上るといわれる。国によって異なる検疫システムのため、ペットの移動には多くの手続きと時間が必要だが、EUでは2004年にペットパスポートが導入され、通常は6カ月ほどかかる審査が書類チェックだけで済むようになった。2011年には犬、猫、フェレットについてはマイクロチップを正式な個体認証の唯一の手段とするルールが導入され、飼い主はこれらのペットにマイクロチップを装着するよう求められている。

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新ルールによると、ペット同伴で国境を越えて移動する場合、飼い主は認定獣医師から狂犬病予防注射などの接種履歴や、健康状態が良好であることを証明する書類を発行してもらう必要がある。これらの情報を記憶させたマイクロチップをペットの体に装着すれば、国境を通過する際、専用リーダーで情報を読み取るだけで簡単に検疫手続きを済ませることができる。狂犬病予防注射を受けたものの、移動時点で免疫が有効になっていない生後12~16週のペットにも新ルールが適用される。

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一方、新ルールが営利目的の移動に悪用される事態を防ぐため、1回に同伴できるペットは最大5匹に制限される。ただし、コンテスト、品評会、犬ぞりレースなどの大会やイベントへの参加を証明する書類がある場合は、例外的に5匹以上を連れて移動することが認められる。

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