欧州委員会は24日、ミツバチ保護のため、ネオニコチノイド系農薬のEU内での使用を12月から禁止することを正式決定した。独バイエルの農薬部門クロップサイエンスの「クロチアニジン」「イミダクロプリド」とシンジェンタ(スイス)の「チアメトキサム」の3種が対象となる。
\ネオニコチノイド系農薬は近年、世界各地で深刻化しているミツバチが突然大量に失踪する「蜂群崩壊症候群」との関連性が指摘されており、仏、独、伊などでは以前から使用が制限されている。欧州委は1月、欧州食品安全機関(EFSA)がまとめた調査報告書で、ネオニコチノイド系農薬と蜂群崩壊症候群との関連性については「十分なデータがない」としながらも、同農薬がミツバチの中枢神経系に作用して麻痺や死をもたらすリスクがあると指摘したことを受けて、規制案を発表。3種について、冬策穀物や砂糖大根などミツバチ誘引性がない作物を除く全農作物への使用を禁止する方針を打ち出していた。
\同問題をめぐっては、加盟国のうち英国など8カ国が、同農薬の禁止によって作物の害虫被害が増えるとして反対したが、欧州委は禁止に踏み切った。ただし、2年以内に最新の調査結果に基づいて同規制継続の是非を検討する。
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