2015/10/21

ロシア

Tele2、モスクワ都市圏のモバイル事業に参入

この記事の要約

ロシアの携帯電話サービス事業者Tele2 は、10月1日からモスクワでモバイルサービスの提供を開始した。低価格攻勢で利用者の獲得を進め、同市のモバイル通信市場を独占するMTS、ヴィンペルコム、メガフォンの大手3社の牙城を […]

ロシアの携帯電話サービス事業者Tele2 は、10月1日からモスクワでモバイルサービスの提供を開始した。低価格攻勢で利用者の獲得を進め、同市のモバイル通信市場を独占するMTS、ヴィンペルコム、メガフォンの大手3社の牙城を切り崩す構えだ。13日付の『モスクワタイムズ』が伝えた。

新規参入するTele2の切り札は安価な通信料金。現地ウェブ経済ポータル『テレコムデイリー』のクスコフ氏によると、同社の他の営業地域での料金はライバル3社に比べ平均で25%ほど安い。同氏は、これまで十分な競争がなく高価なサービスを利用せざるを得なかったモスクワのユーザーの多くがTele2のサービスに流れる可能性があるとし、今後3年間で市場シェアの20%を押さえると予測する。ロシアは不況のため実質所得が大きく低下しており、消費者はより安い商品を求める傾向にあるという。

Tele2は従来、モスクワ以外の一部の地域でモバイル通信事業を手掛けていた。2014年8月に国営通信事業者ロステレコムと合弁会社を設立し、ロステレコムのモバイル事業部門を継承。政府系金融機関のVTBやプーチン大統領に近いロシア銀行の融資を受けて、モスクワでの事業開始に向けて動き出した。今春にはモスクワ市当局が同社と共同で通信インフラの整備を実施することで合意している。

Tele2は現在、ロシア国内83の地域のうち60以上の地域でサービスを提供し、3,500万人が利用している。スウェーデン資本だった2003年に同国に参入したものの、通信インフラの外資への解放を渋る当局の抵抗に直面していた。