欧州経済の中心地ドイツに特化した
最新の経済・産業ニュース・企業情報をお届け!

2014/11/12

経済産業情報

再生樹脂製フィルムを試験投入へ 消費者の批判受けドイツポストが約束

この記事の要約

ドイツポストは5日、同社の広告誌『アインカオフ・アクトゥエル』の包装に再生樹脂を50%使用したフィルムを試験投入することを明らかにした。樹脂フィルムによる包装を批判する消費者の批判を受けた措置。樹脂フィルムの使用そのもの […]

ドイツポストは5日、同社の広告誌『アインカオフ・アクトゥエル』の包装に再生樹脂を50%使用したフィルムを試験投入することを明らかにした。樹脂フィルムによる包装を批判する消費者の批判を受けた措置。樹脂フィルムの使用そのものについては、現時点で取り止められないとしている。

アインカオフ・アクトゥエルは毎週土曜日、2,000万部以上が配達されている。包装フィルムをほどかずにそのまま捨てる消費者が多い。

独南部の小都市ジンバハに住むファビアン・レーナーさん(19)はこれを問題視。今夏にドイツポストに苦情を伝えたが、真剣に取り合ってもらえなかったため、インターネット上で署名活動を開始した。この活動は大きな評判を呼び、署名に応じた人は約14万人に達した。

ファビアンさんは5日、ドイツポストにこれを提出した。それと同時に、この問題を話し合うために同社が主催した円卓会議に出席。環境保護団体や産業界の代表、学者などを交えて意見を交わした。

欧州製紙業界団体INGEDEの代表は、ファビアンさんの善意を評価しながらも、アインカオフ・アクトゥエルの包装樹脂がリサイクリング用の仕分け機で雑誌本体から簡単に分離されることを指摘。包装フィルムをほどかずに捨てても環境に影響はないことを説明した。

ドイツポストに落ち度がなかったことが明らかになった格好だが、同社は再生樹脂比率50%のフィルムを試験投入する方針を提示。環境・資源保護に積極的に取り組む姿勢をアピールした。