ロベルト・コッホ研究所(RKI)が11日発表した前日の新型コロナウイルス新規感染者数は24万172人となり、前週同日の24万8,838人からやや減少した。13日には人口10万人当たりの直近7日間の新規感染者数(7日間の発生数)が1カ月半ぶりに減少へと転換している。オーラフ・ショルツ連邦首相は11日の連邦参議院で感染第5波の「ピークが見えてきた」と述べ、16日に開く州首相との会議で感染防止策の緩和について協議する意向を表明した。
7日間の発生数は12月29日の224.3人を直近の底に増加へと転じ、12日には1,474.3人に達したものの、13日には1,466.5人へと減少。15日には1,437.5人となり、3日連続で低下した。カール・ラウターバッハ保健相は日刊紙『ビルト』に、「オミクロンの感染の波はピークを越えた」と述べ、感染防止策の緩和は可能だとの見方を示した。疫学者である同相は1月中旬、科学的なモデル計算をもとに2月中旬が感染のピークになるとの予測を提示しており、予測は正しかったと胸を張った。
人口10万人当たりの直近7日間の新規入院者数は15日に5.90人となり直近のピークである12日(6.46人)から3日連続で低下した。1月中旬に始まった増加傾向に歯止めがかかっている。国内16州のうちメクレンブルク・フォーポマーン(同13.16人)以外は1ケタ台にとどまる。
新型コロナ患者による集中治療病床使用率は14日12時15分時点で11.1%だった。こちらは3日の10.04人を底に緩やかながら増加が続いている。
2022年第5週(1月31~2月6日)のPCR検査件数は約260万件で、これまで同様に能力の限界に達した。そのうちの44.4%が陽性となっており、陽性率は前週の40.4%から拡大。5週連続で上昇した。
新規感染者に占めるオミクロン株の割合は第5週に98.4%となり、前週の97.7%からさらに上昇した。16州のうちブランデンブルク(75.9%)を除く15州で90%を超えている。
オミクロン株には現在、「BA.1」「BA.1.1」「BA.2」「BA.3」の4種類の亜系統が派生している。ドイツの主流は「BA.1」で、新型コロナ感染全体に占める割合は22年第4週(1月24~30日)時点で89.6%だった。前週(89.2%)に比べるとやや低下している。一方、「BA.1」に比べ感染力の高い「BA.2」は8.1%にとどまったものの、前週の5.3%から拡大した。今後、主流となる可能性がある。