欧州自動車産業情報、メーカーの動向、最新技術の情報を配信

2010/2/12

総合 – 自動車産業ニュース

オランダの環境調査機関、スマートグリッド整備を要請

この記事の要約

オランダの環境調査機関CEデルフトは8日、スペインのサン・セバスティアンで9日に開催される欧州連合(EU)の競争政策閣僚理事会の非公式会合を前にレポートを発表し、電気自動車(EV)の普及のためにスマートグリッド(次世代送 […]

オランダの環境調査機関CEデルフトは8日、スペインのサン・セバスティアンで9日に開催される欧州連合(EU)の競争政策閣僚理事会の非公式会合を前にレポートを発表し、電気自動車(EV)の普及のためにスマートグリッド(次世代送電網)の整備を加速するよう訴えた。

\

レポートは、家庭用電源で充電できるプラグインハイブリッド車が普及すれば、夜間に自宅で充電するドライバーが増えるため夜間電力需要が伸び、発電所のベースロード電力(昼夜を問わず常時必要になる最低電力量)の増加につながると指摘。ポーランドのように石炭火力発電が大半を占める国でEVを充電するドライバーが増えれば、結果的に在来型燃料と同等、或いはそれ以上の二酸化炭素(CO2)を排出することになると警告する。

\

CEデルフトにレポート執筆を委託した国際環境団体グリーンピースのAchterberg氏は、こうした問題に対処するためにはスマートグリッドの整備が不可欠と主張する。スマートグリッドは、ITやエレクトロニクスなどの先端技術を駆使して再生可能エネルギーを含む電力網全体の需給体制を効率かつ最適に運用する仕組み。スマートグリッドのネットワークにEVを組み込むことにより、EVへの充電時間を、ネットワークを通じて平準化して電力負荷を減らせるばかりでなく、クリーンエネルギーで発電した電気をEVに充電したり、自動車の蓄電池に貯めた電気を電力会社に売却するといった双方向の電力利用が可能になるとしている。

\