2010/11/15

環境・通信・その他

欧州委が来年の漁獲規制案提示、タラの漁獲量は50%削減

この記事の要約

欧州委員会は11日、大西洋と北海を中心とした来年の漁獲規制案を提示した。漁獲量は「漁業に関する科学技術経済委員会(STECF)」の科学的助言に基づき、加盟各国や漁業関係者と作業方法を話し合った。全体では漁獲量を10%削減 […]

欧州委員会は11日、大西洋と北海を中心とした来年の漁獲規制案を提示した。漁獲量は「漁業に関する科学技術経済委員会(STECF)」の科学的助言に基づき、加盟各国や漁業関係者と作業方法を話し合った。全体では漁獲量を10%削減するが、資源量が枯渇しているタラについては50%の削減を盛り込んだ。12月13~14日に開かれる漁業相理事会で協議して漁獲量を決定する。

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欧州委は国際海洋探査委員会(ICES)の助言により、長期的目標として2015年までに最大持続可能漁獲量(MSY)の水準にまで資源量を引き上げることを目指し、各種の漁獲資源に複年次計画を採用している。しかしスカゲラック海峡とアイリッシュ海、スコットランド西部沖のタラには資源量に回復の兆しが見られないため、漁獲量を50%削減するとともに加盟国に対してタラの漁獲管理について徹底的な見直しで協力するよう要請している。

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50%削減に対してはスコットランドの漁業関係者が反発しているが、欧州委のダマナキ委員(漁業・海事担当)は議論の余地はないとしている。また、北海のタラの資源量は2008年に過去10年で最悪となり、漁場の閉鎖やタラ漁の回避措置も効果が出ていない。しかし北海のタラ漁はノルウェーとの共同管理となるため、同国との状況改善に向けた協議が必要になるという。なお来年の漁獲量が今年より増えるのは6種、減るのは64種、横ばいは23種となっている。

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