欧州司法裁判所の一般裁判所は12日、欧州委員会が送電設備のカルテルで三菱電機、東芝に制裁金支払いを命じた措置を無効とする判決を下した。また、同カルテルで富士電機ホールディングスの制裁金を減額した。
\欧州委は2007年1月、日本の三菱電機、東芝、日立製作所、富士電機ホールディングス、日本AEパワーシステムズを含む10社に対して、発電所などの送電量を制御するガス絶縁開閉装置(GIS)の販売でカルテルを結んでいたとして、総額7億5,071万ユーロの制裁を科した。日本企業の制裁額は三菱電機1億1,857万ユーロ、東芝9,090万ユーロ、日立5,040万ユーロ、富士電機240万ユーロ、日本AEパワーシステムズ135万ユーロ。
\これに対して三菱電機と東芝は、カルテルの事実はなかったとして、制裁命令取り消しを求めて欧州裁に提訴していた。
\欧州裁は両社のカルテル関与については、欧州委の判断に間違いはなかったと認定した一方、欧州委が制裁金算定に際して、カルテルの基準年を欧州企業で2003年としたのに対して、両社に2001年としたのは不当と指摘。カルテルでの公平な扱いを定めたルールに違反するとして、両社への制裁を無効とする判断を下した。富士電機に関しては、無効とはしなかったものの、カルテル調査に協力したことを考慮し、制裁額を240万ユーロから220万ユーロに減額した。
\三菱電機、東芝と同じくカルテルを否定し、制裁取り消しを求めていた日立については訴えを退け、5,040万ユーロの支払いを命じた。同社は声明で「当社の主張が認められなかったことは遺憾で、今後の対応については、判決内容を精査の上、検討していく」としている。
\同カルテルの制裁をめぐって欧州裁は3月、仏アルストムとアレバについて減額を認め、制裁額はアルストムが6,502万ユーロから5,852万ユーロに、アレバが5,355万ユーロから4,820万ユーロに引き下げられた。一方、最高となる3億9,656万ユーロの制裁を科された独シーメンスに関しては訴えを退け、制裁額は妥当する判断を下した。
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