2011/7/18

環境・通信・その他

ネットオークションでの偽造品販売、「サイト運営者にも商標権侵害責任」

この記事の要約

欧州司法裁判所(ECJ)は13日、インターネットオークションを含むオンライン小売業者が自社サイトで偽造品や非売品が販売されている事実を知りながら出店者の違法行為を阻止しなかったり、偽造品などの販促などに関連して「積極的な […]

欧州司法裁判所(ECJ)は13日、インターネットオークションを含むオンライン小売業者が自社サイトで偽造品や非売品が販売されている事実を知りながら出店者の違法行為を阻止しなかったり、偽造品などの販促などに関連して「積極的な役割」を担った場合、サイト運営者も商標権の侵害責任を負うとの判決を言い渡した。オンライン小売業者が第三者に対して純粋に商品の販売スペースを提供しているだけのケースでは、自社サイトで販売された商品が商標権を侵害している場合でも法的責任を免れるが、たとえば宣伝方法や価格設定などについて出店者に知識や情報を与えるといった行為は商標権侵害への積極的関与とみなされる。

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今回の判決は仏化粧品大手ロレアルが偽造品などの販売をめぐり、米ネット競売大手イーベイを商標権侵害で提訴した事案を受けたもので、英高等法院がECJに判断を求めていた。ロレアルは偽造品のほかにサンプルやテスターなどの非売品がイーベイのサイトに多数出品されていることについて、イーベイの商標権侵害対策が不十分なためと主張。これに対しイーベイ側は、純粋に取引のプラットフォームを提供しているだけで商標権の侵害責任はすべて出品者にあると反論している。

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ECJは競売サイトやショッピングモールなどの運営者に商標権侵害の法的責任が及ぶ一般的な基準を示したうえで、ロレアルとイーベイの訴訟については英国の裁判所に最終判断するよう指示。さらに裁判所がオンライン小売業者に対して偽造品などを販売している事業者の特定を命じ、違反業者に対してただちに差し止め命令を出すことができるよう、加盟国に裁判所の権限を強化するよう求めている。

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