2011/7/18

環境・通信・その他

EU-ETS第3期間の排出枠、12年に1.2億トン相当を有償割当

この記事の要約

EU加盟国は13日開いた気候変動委員会で、EU排出量取引制度(EU-ETS)の第3期間(2013-20年)における総排出枠のうち、1億2,000万トン相当の排出権について、2012年に前倒しでオークションによる有償割当を […]

EU加盟国は13日開いた気候変動委員会で、EU排出量取引制度(EU-ETS)の第3期間(2013-20年)における総排出枠のうち、1億2,000万トン相当の排出権について、2012年に前倒しでオークションによる有償割当を実施する計画を承認した。閣僚理事会と欧州議会の承認を経て実施に移す。

\

EU-ETSの第1期間では全体の95%、第2期間でも90%の排出枠が対象施設に無償で割当てられてきたが、第3期間から段階的にオークションによる有償割当への移行を進め、27年までに全面移行することが決まっている。発電部門は13年から原則的にオークション方式に移行することになっており、新制度がスタートする前に排出枠の有償割当を行うことは電力会社のリスクヘッジを助ける意味合いがある。欧州委員会によると、オークションはすべてスポット取引の形で行われ、落札から5日以内に排出枠が引き渡される。

\

一方、加盟国は排出枠オークションの共通プラットフォームと取引監視システムの調達に関する取り決めをまとめた合意書の内容で大筋合意した。欧州委は9月の閣僚理事会で合意書が正式に承認されるとの見通しを示している。なお、英国、ドイツ、ポーランドの3カ国はそれぞれ独自のプラットフォームを運用する方針を表明しており、残る24カ国がEU共通のプラットフォームを活用することになる。

\