2011/9/26

総合 –EUウオッチャー

トルコ「EUとの関係凍結」も、キプロスとの対立めぐり

この記事の要約

EU加盟国であるキプロス(南キプロス)と加盟候補国トルコの関係が急速に悪化している。トルコのアタライ副首相は17日、キプロスが来年、EU議長国に就任した場合は、EUとの関係を「凍結する」意向を表明。また、トルコのユルドゥ […]

EU加盟国であるキプロス(南キプロス)と加盟候補国トルコの関係が急速に悪化している。トルコのアタライ副首相は17日、キプロスが来年、EU議長国に就任した場合は、EUとの関係を「凍結する」意向を表明。また、トルコのユルドゥズ・エネルギー天然資源相は19日、キプロスが海底ガス田の試掘を強行する姿勢を打ち出したことに反発し、対抗措置を講じる方針を示した。

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トルコはギリシャ系の南キプロスを国家として承認しておらず、トルコ系の北キプロスと南キプロスの統合を国家承認の条件としている。これが障害となってEU加盟交渉は進んでいない。

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アタライ副首相は北キプロスのテレビ局とのインタビューで、来年下期にキプロスがEU議長国に就任する予定となっていることについて、「南北統合の交渉が妥結しないままキプロスが議長国となれば、EUとの関係を凍結する」と述べた。

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一方、ユルドゥズ・エネルギー天然資源相は、キプロス沖ガス田の試掘開始をキプロスが宣言したことに関して、即座に中止するよう求める声明を発表。キプロスが強行する場合は、トルコも海軍を動員して同海域で試掘を行う方針を示した。

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トルコの動きに対して欧州委員会の報道官は19日の記者会見で、キプロスの議長国就任に変更はないと言明し、トルコをけん制する一方、両国および北キプロスが南北分断問題の解決に向けた努力を強化し、早期に南北統合を実現するよう呼びかけた。ガス田をめぐる対立については、「トルコは両国の関係を悪化させるような挑発的行為を控えるべきだ」と述べ、自重を求めた。

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