2012/11/12

環境・通信・その他

UMTS用の120MHzを4G向けに開放、周波数の効率利用で

この記事の要約

欧州委員会は5日、スマートフォンなどの普及に伴うデータ通信量の急激な増加に対応するため、第3世代(3G)移動通信システムに割り当てている周波数帯のうち、2ギガヘルツ(GHz)帯の一部を第4世代(4G)ネットワークに開放す […]

欧州委員会は5日、スマートフォンなどの普及に伴うデータ通信量の急激な増加に対応するため、第3世代(3G)移動通信システムに割り当てている周波数帯のうち、2ギガヘルツ(GHz)帯の一部を第4世代(4G)ネットワークに開放すると発表した。対象は現在、3Gネットワークの欧州規格であるユニバーサル移動通信システム(UMTS)に割り当てられている1,920~1,980メガヘルツ(MHz)および2,110~2,170MHzの合計120MHzの範囲。EU加盟国は2014年6月30日までに当該周波数を、LTE(ロングターム・エボリューション)などの4Gネットワークに開放することが義務づけられる。  EUは 2020年までに取り組むべき情報・通信・技術(ICT)分野の優先課題をまとめた「デジタルアジェンダ」で、同年までにすべてのEU市民が30メガビット/秒以上の高速ブロードバンド接続サービスを利用できるようにするという目標を掲げている。一方、スマートフォンやタブレット型端末などインターネット接続機能を持つ携帯端末の使用台数は、2015年までに世界全体で約70億台を超える見通しで、データ通信量は毎年26%のペースで増加を続けるとみられており、世界的に無線周波数帯の効率利用が求められている。

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欧州委は目標の達成に向け、周波数帯の有効活用を進めて次世代モバイルネットワークを早期に実現するための具体策を検討しており、今回の決定もそうした取り組みの一環。同措置により、4Gネットワークに使用できる周波数帯は最大で米国の2倍に相当する1,000MHz前後となる見通しだが、欧州委は現在使用されていないUMTS用の周波数帯合わせて35MHz(1,900~1,920MHzおよび2,010~2,025MHz)についても4G向けに開放する方向で検討していることを明らかにした。

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欧州委のクルース副委員長(デジタル政策担当)は「4Gネットワークに新たな周波数帯を割り当てることで、モバイルブロードバンドの高速化を進めてデータ通信量の急増に対応することが可能になる。すべての加盟国が決定に従い、迅速に周波数帯の再割り当てを進めることを期待する」と述べた。

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