2012/12/3

競争法

欧州委、スペインの銀行再編計画を承認

この記事の要約

欧州委員会は11月28日、スペインの銀行大手バンキアなど4行の再編計画を承認したと発表した。7月にユーロ圏諸国が決定した最大1,000億ユーロのスペイン銀行支援策の一環で、ユーロ圏各国でつくる金融安全網「欧州安定メカニズ […]

欧州委員会は11月28日、スペインの銀行大手バンキアなど4行の再編計画を承認したと発表した。7月にユーロ圏諸国が決定した最大1,000億ユーロのスペイン銀行支援策の一環で、ユーロ圏各国でつくる金融安全網「欧州安定メカニズム(ESM)」を通じてスペインが公的資本注入を実行するための資金を拠出する。

\

欧州委によると、再編計画は劣後債保有者に損失を負担させ、不良資産を「SAREB」と呼ばれるバッドバンクに移管することを想定しており、これにより4行の必要資本額はバンキアが179億6,000万ユーロ、カタルーニャ銀行は90億8,000万ユーロ、ノバガリシア銀は54億2,500万ユーロ、バレンシア銀行は45億ユーロとなる。4行は不動産向け融資から撤退するとともに、ホールセール事業を縮小し、中小企業向けのリテール事業に注力する。バンキア、カタルーニャ銀行、ノバガリシア銀行の3行は2017年までにバランスシートを10年の水準から60%以上圧縮させることが求められる。バレンシア銀行はカイシャバンクに売却される。なお、4行のなかで規模が最も大きいバンキアは、全従業員の約4分の1に当たる6,000人を解雇し、支店数を約39%削減。13年までに収支を黒字化させる計画を表明している。

\

欧州委のアルムニア副委員長(競争政策)は、「スペイン経済の再建には実体経済に資金を供給する能力のある健全な金融セクターを復活させることが不可欠だ」と述べ、マレノストルム、カハ3、リベルバンク、セイスの4行の再編計画について今月20日に判断を示すことを明らかにした。

\