2013/7/22

環境・通信・その他

サッカーW杯の独占放送禁止は「合法」、FIFAとUEFAが敗訴

この記事の要約

欧州司法裁判所は18日、サッカーのワールドカップ(W杯)や欧州選手権(EURO)の試合を無料放送の地上波テレビで視聴できるよう、有料テレビ事業者による独占放送を制限した英国とベルギーの措置は合法とした一審判決を支持する判 […]

欧州司法裁判所は18日、サッカーのワールドカップ(W杯)や欧州選手権(EURO)の試合を無料放送の地上波テレビで視聴できるよう、有料テレビ事業者による独占放送を制限した英国とベルギーの措置は合法とした一審判決を支持する判断を示した。2つの大会はオリンピックなどと同様、社会にとって「重要なイベント」であり、誰でも試合を視聴できる手段を確保するため、有料チャンネルでの独占放送を制限することは「適切な措置」と結論づけている。

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4年ごとに開催されるW杯やEUROの放映権料は大会ごとに高騰しており、放映権を獲得したテレビ局は有料チャンネルで試合を放送し、視聴料収入の形で投資を回収している。放映権を管理する国際サッカー連盟(FIFA)と欧州サッカー連盟(UEFA)は、英国とベルギー政府が有料チャンネルでの独占放送を厳しく制限したことで、自由市場での競争が歪められ、本来得られたはずの収入が連盟に入らなくなり大会運営に支障をきたす可能性もあるなどと主張。両国政府の措置を不服として訴訟を提起した。

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これに対し、一般裁判所は2011年、EU法は加盟国に対し、「社会にとって重要と位置付けられるイベント」について、一般市民が「無料テレビ放送で視聴する可能性を著しく損なう独占的な放送」を禁止する権限を与えていると指摘。W杯とEUROを「重要なイベント」と位置付け、有料チャンネルでの独占放送を制限した英国とベルギーの判断に問題はないとして、FIFAとUEFAの訴えを退けた。両連盟は判決を不服として上訴したが、欧州裁は今回、2つの大会は「日頃からサッカー中継をテレビで観戦している熱心なファンだけでなく、幅広い層が高い関心を寄せているイベント」と指摘。改めて英国とベルギー政府の措置は合法との見解を示し、連盟側の主張を退けた。

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