2013/10/28

産業・貿易

改正VW法に問題なし、欧州裁が独支持の判決

この記事の要約

欧州司法裁判所は22日、EU法違反と認定されたフォルクスワーゲン(VW)法の改正をドイツ政府が怠っているとして欧州委員会が提訴していた問題で、欧州委の訴えを退ける判決を下した。5月の法務官見解を踏襲した格好。今回の判決に […]

欧州司法裁判所は22日、EU法違反と認定されたフォルクスワーゲン(VW)法の改正をドイツ政府が怠っているとして欧州委員会が提訴していた問題で、欧州委の訴えを退ける判決を下した。5月の法務官見解を踏襲した格好。今回の判決により、ドイツは欧州委が求めていた再度の法改正と制裁金支払いを免れた。

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VW法は独自動車大手のフォルクスワーゲンを外資による買収から保護する目的で1960年に導入された法律で、欧州裁は2007年10月、EU法違反と認定した。具体的には(1)各株主の議決権を出資比率に関係なく最大20%に制限する(2)重要決議の阻止に必要な出資比率が20%と、株式会社法に定める25%より低い(3)連邦(国)とニーダーザクセン州はVW株を保有するかぎり、VWの監査役会にそれぞれ2人の役員を派遣できる――という特殊ルールが資本移動の自由を定めたEU法に違反すると言い渡した。

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ドイツ政府はこれを受け、EU法違反が認定された3点のうち、(1)と(3)の規定を廃止する法改正を実施した。(2)を残したのは、欧州裁がEU法違反を認定したのはこれら3ルールをセットで適用することだとの立場をとっているためだ。

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欧州委はこれに対し、3つの規定をすべて廃止することをドイツ政府に求めたが、拒否されたため、12年2月に再提訴。重要決議の阻止に必要な出資比率を20%とするルールを株主の過半数の意思で定めるのであれば問題はないが、法律で制定することは株主の権利を不当に制限するものでEU法違反だと主張していた。

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欧州裁は今回、07年の判決で欧州法違反と認定したのは(1)と(2)の規定をセットで適用することだと指摘。現行VW法では(1)の規定が廃止されており、両規定をセットで適用することはできなくなっているとして、ドイツは判決を履行したとの判断を示した。

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