ロシア国営鉄道会社RZDは、国際列車内での免税品の試験販売を実施する。同社の広報担当者が明らかにしたところによると、対象はモスクワ~キエフを結ぶ国際高速列車で、夏季ダイヤに変わる5月最後の日曜日からスタートする。RZDの旅客事業は公的助成金に大きく依存しており、関係者は新サービスの導入が収益体質の改善につながると期待をよせる。
\試験期間は1年で、国際旅客機と同様、化粧品や酒類などを販売する。テストの成果をもとにモスクワとヘルシンキを結ぶ国際高速列車での営業も検討する。テスト実施業者は非入札で決め、正式導入する際に公式入札を行うとしている。
\鉄道施設での免税販売は昨年春に政府の承認済みで、駅構内の免税店開設も計画されている。今春にもフィンランドとの国境にあるヴィボルスキー駅とサンクトペテルブルクのフィンランドスキー駅(フィンランド行き列車の発着駅)で営業を開始する予定で、将来的には国際列車の連繋地点となる駅全てに出店する構想もある。
\ロシアの免税業連盟の推定では、昨年の免税販売の売上高は約10億米ドルにのぼり、このうち旅客機の機内販売が10~15%を占めるという。鉄道免税サービスの導入には期待が大きいが、顧客が免税対象者であるかを確認するシステムの整備など課題も多い。
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