2020年5月20日

ドイツが国境検査を緩和、第三国からの入国者には隔離を継続

ドイツ連邦内務省は13日、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために実施している国境検査を緩和すると発表した。

正当な理由がない場合は、ドイツ人およびドイツに居住する外国人がドイツに入国するケースを除いて、これらの国との国境を越えることができなくなっていた。

ドイツに対してはポーランドとチェコが厳格な国境検査を実施している。

20年税収見通しを大幅下方修正、24年までの引き下げ幅は計3159億に

ドイツの税収見積もり委員会は14日、国(連邦)と州、市町村、EU(向け拠出金)の2020年の税収が計7,178億ユーロとなり、前年実績から10.2%減少する見通しを明らかにした。

ただ、来年は反動でドイツ全体の税収が10.4%増加し、19年の水準をほぼ回復する見通し。

債務残高が大幅に増加するにもかかわらず、政府が補助金や融資保証、税負担軽減を通して企業、自営業者、被用者を手厚く支援するのは、多くの企業が破綻して失業者が大幅に増えると経済基盤が破壊され、危機終了後に景気を速やかに回復することができなくなるためだ。

カールシュタット・カウフホーフ―店舗数半減か―

新型コロナ危機で経営が急速に悪化しているためで、経営陣はカールシュタット、カウフホーフの2ブランドで展開するデパート計およそ170カ所のうち80カ所を閉める方向だ。

カールシュタットとカウフホーフの店舗は近接しているケースが多いことから、多くの都市でどちらかの店舗を閉める方向とみられる。

店舗閉鎖に伴い多数の従業員(現在2万8,000人)が削減されることになる。

BASF―中国移動サービスの滴滴と戦略協業、塗料分野で―

環境性能の高い塗料を供給するとともに研修などの技術サービスを提供する。

BASFが「RODIM」ブランドで提供する塗装作業関連製品を用いて使用することで作業と仕上がりが改善されるという。

BASFと戦略協業することで、塗装過程を標準化し効率アップを図る。

ドイツ鉄道が運行数を再び拡大、感染防止に配慮もマスク着用義務はなし

ドイツ鉄道(DB)がこれまで削減していた長距離列車の運行数を再び増やし始めている。

感染防止に向けては、運行数と列車編成の拡大を通して乗客が他の乗客と可能な限り距離を取れるよう配慮している。

国内16州のうち6州が長距離列車での着用を義務化していないことから、見合わせざるを得ない状況だ。

独機械輸出、3月は11%減少

ドイツ機械工業連盟(VDMA)が18日発表した1-3月期(第1四半期)の機械輸出高は前年同期比6.6%減の419億ユーロへと落ち込んだ。

1月と2月は減少幅が小さかったものの、新型コロナ危機が欧州で本格化した3月に前年同月比で11%減少したことが響いた。

3月のEU向け輸出高は前年同月比で21%以上、後退した。

製造業の被用者が3月は1.3%減少

これに金属製造・加工が3.0%、金属製品と電気設備、機械が各2.3%、自動車・自動車部品が1.8%で続いた。

これに金属製造・加工(5.1%減)、ゴム・樹脂製品(4.9%減)、機械(4.1%減)、金属製品(3.6%減)、電気設備(1.3%減)が続いた。

化学(4.2%増)、食品・飼料(2.2%増)、電算機器/電子・光学製品(0.6%増)は拡大した。

コロナ「復興基金」の制度設計で独仏合意、墺などは補助金方式に反発

ただ、欧州委が調達した資金はEU予算から長期的に返済するため、加盟国に負担が回る可能性はある。

復興基金の財源に関しては、フランスとイタリア、スペインなどが「コロナ債」と称されるユーロ圏共同債を発行することを提唱していたが、ドイツやオーストリア、オランダなど財政健全化に努めてきた加盟国が、財政が厳しい南欧諸国などの債務を肩代わりすることになりかねないとして反対してきた。

さらに同首相は、ドイツがEUの次期中期予算への拠出を通じて、基金の27%に相当する額を負担する意向も表明した。

製造業受注残高、3月時点で新型コロナの影響は小

統計局は大規模なキャンセルの動きがなかったことを踏まえ、新型コロナ危機は3月時点で製造業受注残高に大きな影響をもたらしていないとの見方を示した。

受注残(受注残高の対売上比を月に換算)は5.8カ月で、前月と同水準にとどまった。

投資財が8.0カ月、中間財が3.0カ月、消費財が2.3カ月となり、3部門すべてで変動がなかった。

風力風車の距離規制で与党合意、太陽光発電の助成枠は撤廃へ

独与党3党は18日、風力発電風車と住宅地の距離を最低1,000メートルにするとした昨年9月の合意を修正することで合意した。

与党はまた、太陽光発電の助成対象を計52ギガワットに制限するとした2012年導入のルールを撤廃することでも合意した。

今秋にも同上限に到達する見通しだったことから、制限を廃止しないと太陽光発電の新設に急ブレーキがかかる恐れがあった。

コンチネンタル―社債で資金調達―

自動車部品大手の独コンチネンタル(ハノーバー)は19日、社債発行で総額15億ユーロの市場資金を調達したと発表した。

同社は3月末時点で68億ユーロの流動性を持ち、資金繰りにゆとりがあるものの、新型コロナ危機で経済の先行きが不透明なことから、自由に使える資金を増やし、事業活動に支障が生じないようにする考えだ。

償還期間3年半と6年3カ月の社債をそれぞれ7億5,000万ユーロ発行した。

ティッセンクルップ―持株会社に転換、鉄鋼部門は合弁化も―

鉄鋼と軍用船の2部門についてはグループ内にとどめるとしながらも、合弁化も視野に入れていることを明らかにした。

ティッセンの下で今後も事業を展開する部門は材料取引、産業部品、自動車部品、鉄鋼、軍用船の5部門。

一方、経営の重荷となっているプラント建設、パワートレイン・ソリューションズ、ばね・スタビライザー、インフラ、厚板、電池ソリューションズ事業およびイタリアのステンレス鋼生産子会社アッチャイ・スペチャーリ・テルニ(AST)については新設する受け皿部門「マルチトラックス」へと移管し、売却ないし事業拠点の閉鎖を検討する。

新型コロナのワクチン、EUでは1年後にも認可

医薬品の認可など欧州連合(EU)の薬事規制を統括する欧州医薬品庁(EMA)は、EUでは新型コロナウイルスに有効なワクチンが早ければ1年後に認可されると見込んでいる。

カバレリ氏は「ワクチン開発はゼロからスタートしなければならない」と指摘し、ワクチン開発の難しさを強調。

米国、中国などEU域外で先に開発されても、域内に供給されるのは後回しになるため、EU内の製薬会社や研究所が開発し、認可されれば新型コロナ感染の封じ込めが一気に加速することになる。

第1四半期GDPが11年来の大幅下落に、景気後退入り

19年第4四半期(10~12月)の成長率を0.0%からマイナス0.1%へと下方修正した。

昨年第3四半期(7~9月)の成長率については従来の02%から0.3%へと上方修正した。

同第1四半期と第2四半期(4~6月)はそれぞれ従来と同じ0.5%、マイナス0.2%。

自動車業界などの状況が一段と悪化、9割以上で生産に支障

同業界の雇用者団体ゲザムトメタルが14日に発表した5月の加盟企業アンケート調査結果によると、新型コロナの影響で生産に支障が出ている企業の割合は91.5%に達し、4月の83.4%から8ポイント以上、増加した。

「(子供の世話や病気による)労働力不足」を生産支障の原因とする回答は前回の36%から16%へと大きく減少した。

操業時間を短縮した企業は60%に達し、前回の43%から増加した。

フォルクスワーゲン―4月販売45%減少―

新型コロナ危機の直撃を受けた格好で、1~4月の累計も前年同期比28.6%減の248万台弱へと後退した。

4月販売は特に西欧が振るわず、前年同月を75%以上下回る7万5,800台へと減少した。

新型コロナの感染拡大が一服したことを受けて生産が再開され、販売も回復していることが大きい。

フォルクスワーゲン―本社工場を5月は計4日停止―

新型コロナ危機に伴い需要が低迷しているためで、15日、20日、25日、29日の生産を見合わせる。

VWは需要の掘り起こしに向けて販売プログラムを実施する。

失業時のローン返済をサポートする保険も販売する。

コメルツ銀行―赤字転落、コロナ危機で貸倒引当金が急増―

独金融大手コメルツ銀行(フランクフルト)が13日発表した2020年1-3月期(第1四半期)決算の純損益は2億9,500万ユーロの赤字となり、前年同期の黒字(1億2,200万ユーロ)から大幅に悪化した。

1-3月期の貸倒引当金は3億2,600万ユーロとなり、前年同期の7,800万ユーロから4倍以上に膨らんだ。

新型コロナ危機に起因するものはそのうち1億8,500万ユーロを占める。

公共交通機関の利用者、第1四半期は11%減少

ドイツ連邦統計局は13日、公共交通機関の利用者数が第1四半期(1~3月)は前年同期比で推定約11%減少したことを明らかにした。

減少幅が最も大きかったのは近距離鉄道で、15%に上った。

鉄道の利用者数は3月に限ると前年同月を約40%下回った。

コロナ危機で食品ネット通販の利用者急増

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて食料品をインターネットで購入する消費者が増えている。

情報通信業界連盟(Bitkom)がドイツ国内の消費者1,003人を対象に実施したアンケート調査によると、ネット通販で食品を購入する人の割合はコロナ危機前の16%から30%へと倍増した。

ネット通販の種類別でみると、ネットマーケットの利用者はコロナ危機前の7%から19%へと拡大した。

4月インフレ率は0.9%、エネルギーを除くと1.5%に

前年同月比のインフレ率は前月の1.4%から大きく低下した。

エネルギーを除いたインフレ率は1.5%に上った。

価格変動が激しい食料品とエネルギーを除いた基礎インフレ率は1.2%だった。

入国者の一律隔離は違法、欧州内出張に余地

帰国者を一律隔離する政令は国内すべての州が採用してきた。

ニーダーザクセン州行政裁の決定を受けて、デュッセルドルフを州都とするノルトライン・ヴェストファーレン州政府はすでに、一律隔離規定を棚上げにする意向を表明した。

また、連邦内務省は13日、EU加盟国からの入国者には隔離義務を適用しないようにすることを、各州政府に勧告した。

5G設備への中国勢参入に高ハードル、製造元の信頼性調査=法原案

通信インフラを電子的なスパイ活動や破壊工作から守るために設備・部品の認証を義務付けるだけでなく、製造元の信頼性も重視するというもので、華為技術など中国政府の影響下にある通信設備メーカーに対し高い参入障壁を設定する内容だ。

また、通信インフラが破壊されると、経済・政治・社会の機能が麻痺することから、インフラを構成する機器や部品、ソフトウエアの信頼性も欠かせなくなる。

加盟国に対し、参入を希望するメーカーを「技術面と非技術面」の双方からリスク評価するよう要請している。

4月の卸売物価3.5%低下、09年以来の下げ幅に

ドイツ連邦統計局が14日発表した4月の卸売物価指数は前年同月比3.5%減となり、2009年10月以来の大きな下げ幅を記録した。

新型コロナ危機の影響で石油製品の価格が25.7%低下したことが最大の押し下げ要因。

4月の卸売物価指数は前月比でも1.4%減となり、下げ幅は前月の0.4%から拡大した。

ヘンケル―殺滅効果の高いジェルを開発―

化学大手の独ヘンケル(デュッセルドルフ)は14日、細菌と病原菌、ウイルスを99%殺滅するジェルを開発したと発表した。

6月から「Fa」ブランドで販売する。

「Fa Hygiene & Frische Hand-Desinfektionsgel」という名の同製品は手を洗わずに使用しても99%の殺滅効果を発揮する。

TUI―従業員8000人削減へ―

新型コロナ危機に伴う市場の低迷が長期化すると予想しているためで、厳しい経営環境のなかでも成長を確保できるようにする。

2020年1-3月期(第2四半期)決算の営業損益(EBIT、調整済み)は6億8,090万ユーロの赤字となり、赤字幅は前年同期の2億4,210万ユーロから大幅に膨らんだ。

純損益も赤字幅が2億380万ユーロから7億6,360万ユーロへと拡大した。

ハンブルク港のコンテナ取扱量、第1四半期は6.6%減少

ハンブルク港マーケティング協会は15日、同港の第1四半期(1~3月)のコンテナ取扱量が前年同期比6.6%減の220万TEU(20フィートコンテナ換算)に後退したと発表した。

特に対中国は約15%減の58万TEUと大きく落ち込んだ。

対米と対シンガポールは増加した。

ルフトハンザ―ベルギー政府が子会社への支援表明―

航空需要が回復すれば雇用の75%を維持し、収益を確保して再び成長できると強調する一方、需要が2019年の水準に戻るのは早くて23年との見方を示していた。

ウィルメス首相と主要閣僚が15日、ルフトハンザのシュポア最高経営責任者(CEO)らと会談し、ブリュッセル航空への支援策について協議した。

双方はここ数週間にわたる困難な交渉の末、今回の協議で具体的な進展があったとし、有益な合意形成に向けて尽力する姿勢を強調した。

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