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2014/10/15

企業情報

ヴェオリア・フェアケーア―長距離鉄道市場から撤退―

この記事の要約

仏公共交通大手ヴェオリア・トランスポールの独子会社ヴェオリア・フェアケーア(ベルリン)は14日、長距離鉄道旅客輸送事業から撤退すると発表した。長距離バス市場の解禁を受けて需要が減少し赤字が続いているため、同社の唯一の路線 […]

仏公共交通大手ヴェオリア・トランスポールの独子会社ヴェオリア・フェアケーア(ベルリン)は14日、長距離鉄道旅客輸送事業から撤退すると発表した。長距離バス市場の解禁を受けて需要が減少し赤字が続いているため、同社の唯一の路線であるライプチヒ~ベルリン~ロストック線の運行を12月13日付で打ち切る。

ドイツの鉄道市場はドイツ鉄道(DB=旧ドイツ連邦鉄道=)の民営化(1994年)を受けて自由化された。ヴェオリア・フェアケーアは2002年、長距離鉄道事業(旅客)に参入。「インターコネクト」ブランドで運行を行ってきた。

競合DBの高速鉄道ICEに比べ料金が安い点が強みだったが、2013年1月から長距離バス市場が自由化さえたことで状況が悪化した。長距離バスの料金が低く、インターコネクトの顧客が減少。同社はプレスリリースで「営利企業である以上、毎月赤字を出し続けることはできない」と苦しい事情を説明した。

ドイツの長距離鉄道市場(同)はDBがほぼ独占しており、ヴェオリア・フェアケーアが撤退すると、同市場に残るDBの競合はHKX1社に減少する。HKHは2012年に事業を開始。ハンブルク~ケルン間で運行している。広報担当者はメディアの問い合わせに撤退の計画はないと回答したものの、同社も長距離バスに事業を圧迫されているもようだ。