ゲシェフトフューラーの豆知識

未消化の有給休暇が企業のリスク要因に

欧州連合(EU)司法裁判所(ECJ)は昨年11月の判決で、法律で定められた年次有給休暇の期限内に被用者が取得を申請しなかった場合は、有給休暇の取得権が例外なく自動的に失効するとしたドイツの判例はEU法に違反するとの判断を […]

事業所委の振休で最高裁判決

従業員の社内代表機関である事業所委員会(Betriebsrat)の活動を勤務時間外に行った事業所委員は有給で振替休暇を取得する権利がある。これは事業所体制法(BetrVG)37条3項第1文に記されたルールである。このルー

インターンへの賃金支給義務免除ルールで最高裁判決

インターン(実習生)として働く者に対して企業は原則的に賃金を支給しなければならない。これは最低賃金法(MiLog)に定められたルールである。ただし、例外的に賃金支給義務が免除されるケースもある。実習生がオリエンテーション

有期雇用契約の制限ルールで最高裁が法解釈を変更

雇用主と被用者が結ぶ有期雇用契約は契約回数が複数にわたる場合でも合計の期間が最大2年に制限されている。これは「パートタイムと有期労働契約に関する法律(TzBfG)」14条2項第1文に明記されたルールで、雇用期間が計2年を

未消化の有給休暇の相続権、独最高裁も認める判決

被用者が死亡したために消化できなかった年次有給休暇は金銭に換算されたうえで遺産として相続される。これは欧州連合(EU)労働時間指令2003/88/EC7条1項の規定をもとにEU司法裁判所(ECJ)が2014年の判決(訴訟

定年退職後の有期雇用はEU法に合致

年金受給開始年齢(定年)に達した被用者であっても、定年前に労使が合意すれば退職時期を何度でも延長できる。これは社会法典(SGB)第6編41条第3文に記されたルールである。このルールを巡る係争で最高裁の連邦労働裁判所(BA

パート社員の残業手当、何時間以上の勤務が適用対象か

正規の勤務時間を超える労働時間には残業手当(割増賃金)が支給される。では、正規の勤務時間がフルタイム社員に比べて短いパート社員には何時間目から割増賃金が適用されるのだろうか。分かりやすく言うと、パート社員各人の労働契約に

夫より大幅に若い寡婦への遺族年金支給、減額は違法な差別か

企業年金の受給資格がある夫ないし妻が死亡した場合、配偶者は基本的に遺族企業年金を受給できる。では死亡した被用者と配偶者の年齢差が一定水準以上の場合は受給額を減額するルールは一般平等待遇法(AGG)で禁じられた違法な差別に

同僚の苦情で一人部屋勤務に、業務拒否は正当か

同じ職場で働く社員や職員と頻繁にトラブルを起こす者がいる場合、雇用主は配置転換などを通して別の職場に移すことで対処することがある。では、そうした命令を受けた者がこれを拒否し、勤務を行わなかった場合に解雇することは妥当なの

企業敷地内でのスト参加呼びかけは違法か

労働組合が従業員に対するスト参加の呼びかけをスト対象企業の敷地外で行うことに法的な問題はない。では、そうした活動を敷地内で行った場合はどうなのだろうか。この問題を巡る係争で最高裁の連邦労働裁判所(BAG)が20日に判決(

未消化の有給休暇の相続、欧州司法裁が判断提示

被用者が死亡したために消化できなかった年次有給休暇は金銭に換算されたうえで遺産として相続される。これは欧州連合(EU)司法裁判所(ECJ)が2014年の判決(訴訟番号:C-118/13)で示した判断である。ドイツの最高裁

未消化の有給休暇でEU司法裁が判断

年次有給休暇は原則として年度末までに消化し、特別な事情がある場合も翌年3月末までに消化しなければならない。これは有給休暇法(BUrlG)7条に明記されたルールである。このルールに絡んだドイツの裁判2件(訴訟番号:C-61

育休取得で有給休暇は短縮か

年次有給休暇は被用者に認められた権利であり、その期間は法律で定められている。ドイツの場合は週6日勤務で24日、同5日で20日、同4日で16日となっている。週1日の勤務で年4日の有給が与えられる計算だ。では、育児休暇で働か

勤務中の社員に競合が引き抜きの電話、違法行為に当たるか

優れた人材を獲得するために競合企業の社員に接触することはごく普通に行われており、その自体に違法性はない。では、競合の社員が勤務中であるにもかかわらず接触することも許されるのだろうか。この問題を巡る係争でフランクフルト高等

出張の移動時間の報酬で最高裁判決

仕事柄、出張を頻繁に行う社員は多い。では、出張時の移動時間に対する報酬はどのような基準で決めるべきなのだろうか。この問題を巡る係争で最高裁の連邦労働裁判所(BAG)が17日の判決(5 AZR 553/17)で判断を示した

残業の証明義務は誰にあるのか

残業をしたと主張する被用者が、残業代の支払いを求めて裁判を起こすケースがある。その場合、残業の有無を証明する義務は雇用主側にあるのだろうか、それとも被用者側にあるのだろうか。この問題に絡む係争でラインラント・ファルツ州労

外勤社員の移動時間への報酬で最高裁判決

被用者が自宅から勤務先のオフィスなどへと移動する時間と、そこからの帰宅に要する時間は勤務時間とはみなされない。被用者個人の利益のための時間とみなされるからである。 一方、自宅から直接、外勤先に向かう被用者の場合は事情が異

通勤距離規定の解釈で最高裁判断

企業が車で通勤する社員に通勤手当を支給する場合、通勤距離の算出基準を定める必要がある。そうでないと、公正かつ適切な手当の額を算定できないからである。ただ、通勤距離の算出基準を定めた文章の解釈は人によって異なることがある。

監視カメラの撮影画像、速やかに消去しなければならないか

被用者を解雇するかどうかを決定するために雇用主は当該被用者の個人データを収集、加工、利用することができる。これは5月24日まで有効だった旧連邦データ保護法(BDSG)32条1項第1文で認められたルールである。では、収集し

企業唯一の事業所委員の解雇で最高裁判断

従業員の代表である事業所委員会のメンバーを解雇することは、解雇保護法(KSchG)15条で原則的に禁じられている。事業所委員は職務上、経営者と対立して報復を受けやすい立場にあるためで、解雇が可能なのは即時解雇がやむを得な

通常解雇できない被用者の解雇で最高裁判断

雇用者団体と労働組合が締結する労使協定には解雇予告期間を設定した被用者の通常解雇を禁じる条項がしばしば含まれている。そうしたルールが適用される企業では、民法典(BGB)626条の「重大な理由に基づく即時解雇(Fristl

スト不参加者限定の特別手当は不当な差別か

雇用主は被用者を平等に取り扱わなければならない。これは正当な権利を行使した被用者の差別待遇を禁じた民法典(BGB)612a条や、人種・出自・民族や組合活動を理由とする被用者の差別を禁じた事業所体制法(BetrVG)75条

管理職の残業も共同決定の対象か

従業員の代表機関である事業所委員会(Betriebsrat)は法律ないし業界労使の取り決めがない場合、業務の多くの事柄を雇用主と共同で決定する権利(Mitbestimmungsrechte)を持つ。これは事業所体制法(B

退社2年後に有給休暇の換金支給を要求できるか

雇用関係の終了時点までに消化できなかった年次有給休暇は金銭に換算して退職する被用者に支給される。これは有給休暇法(BUrlG)7条4項に明記された決まりである。では、退社から長い時間が経過している場合でも被用者はこの権利

有期雇用契約の制限ルールで憲法裁が連邦労裁判断を破棄

雇用主と被用者が結ぶ有期雇用契約は法律で認められた客観的な理由がない限り、合計の期間が最大2年に制限されている。これは「パートタイムと有期労働契約に関する法律(TzBfG)」14条2項第1文に明記されたルールで、雇用期間

一定期日前に退社の社員に特別手当の返還を請求できるか

自主退社ないし解雇で一定期日以前に雇用関係がなくなった被用者に対し、すでに支給した特別手当の返還を義務づける労使協定の取り決めは、違法なのだろうか。この問題を巡る係争で最高裁の連邦労働裁判所(BAG)が6月の判決(訴訟番

労働契約の除斥期間規定で最高裁が判断

労働契約には通常、除斥(じょせき)期間(Ausschlussfrist)に関する取り決めが含まれている。除斥期間とは権利を行使しないままに一定期間が経過すると、その権利が消滅するという制度である。この制度に関わる係争で最

勤務時間中のW杯観戦は許されるか

サッカー・ワールドカップ(W杯)ロシア大会が14日、開幕した。サッカー大国ドイツでは大会が終了する7月15日まで、お祭り気分が支配することになる。 今回の大会は時差の関係でドイツ時間の午後の勤務時間中に行われる試合が多い

被用者の私的な携帯番号情報を雇用主は要求できるか

休暇中や勤務時間外であっても緊急連絡ができるようにするために、被用者に私的な携帯電話番号を知らせるよう要求する企業は多い。では、雇用主にはそもそも私的な携帯番号情報を要求する権利があるのだろうか。この問題を巡る係争でテュ

外資企業のコンツェルン事業所委設立で最高裁判断

企業に複数の事業所がある場合、従業員の代表機関である事業所委員会(Betreibsrat)が事業所ごとに設置されるほか、個々の事業所委員会の代表からなる全体事業所委員会(Gesamtbetriebsrat。以下GBR)も

直接保険の解約を被用者は要求できるか

ドイツには企業年金(Betriebsrente)の1つとして直接保険(Direktversicherung)という生命保険型の年金がある。保険料は雇用主が任意負担することも、被用者の給与の一部を天引きの形で割り振ることも

勤務外での犯罪、解雇は可能か

被用者が勤務とは関係のないところで犯罪を行った場合、雇用主は解雇することができるのだろうか。この問題を巡る係争でデュッセルドルフ州労働裁判所が12日に判決(訴訟番号:11 Sa 319/17)を下したので、ここで取り上げ

テロ組織加盟の容疑で解雇は可能か

テロ組織ないし運動に参加している疑いのある被用者を雇用主は解雇することができるのだろうか。この問題を巡る係争でニーダーザクセン州労働裁判所が3月の判決(訴訟番号:15 Sa 319/17)で判断を示したので、ここで取り上

事業所委員選挙への影響行使で最高裁が判断

従業員の代表である事業所委員(Betriebsrat)を選出する選挙に、不利益を与えることないしその脅し、ならびに利益の供与ないしその約束を通して影響を行使することは何人たりとも許されない。これは事業所体制法(BetrV

従業員アンケートは共同決定権の対象か

従業員の代表機関である事業所委員会(Betriebsrat)には、労働災害と職業病の予防策および従業員の健康管理策について雇用主と共同で決定する権利(Mitbestimmungsrecht)がある。これは事業所体制法(B

年金年齢到達後の有期契約ルールはEU法に抵触か

年金受給開始年齢への到達をもって雇用関係を終了する労使契約を締結している場合、労使は有期契約を通して雇用関係の終了時期を延長できる。これは社会法典第4編(SGBⅣ)41条第3文に記されたルールである。有期雇用契約の年数と

待機は勤務時間か

医師や看護婦、消防隊員は基本的に待機勤務を行わなければならない。同僚の病気や緊急事態に対応できる態勢を病院や消防署は常に整えていなければならないためだ。同じことはIT技術者など重要なインフラの管理を担当する被用者にも当て

遺族企業年金の「年齢差」ルールは違法な差別か

企業年金の受給資格がある夫ないし妻が死亡した場合、配偶者は基本的に遺族企業年金を受給できる。では死亡した被用者と配偶者の年齢差が一定水準以上の場合は同年金を支給しないとするルールは違法な差別に当たるのだろうか。この問題を

猛暑対策の共同決定権は現場にあるか

従業員の代表機関である事業所委員会(Betriebsrat)は業務の多くの事柄を雇用主と共同で決定する権利(Mitbestimmungsrechte)を持つ。これは事業所体制法(BetrVG)87条に定められたルールで、

事業所委員の即時解雇で最高裁判決

従業員の代表である事業所委員(Betriebsrat)や同委員を選出する選挙の選挙管理委員を解雇することは、解雇保護法(KSchG)15条で原則的に禁じられている。事業所委員などは職務上、経営者と対立して報復を受けやすい

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