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2014/5/23

一般・技術・その他 (旧)

EUで長編成貨物列車の運行実験プロジェクト実施

この記事の要約

欧州連合(EU)で長編成貨物列車の運行実験プロジェクト「マラソン」が進められている。EUではこれまで、ブレーキや信号に関する規則によって貨物列車のサイズが制限されてきたが、同プロジェクトで開発された技術を利用することで、 […]

欧州連合(EU)で長編成貨物列車の運行実験プロジェクト「マラソン」が進められている。EUではこれまで、ブレーキや信号に関する規則によって貨物列車のサイズが制限されてきたが、同プロジェクトで開発された技術を利用することで、長編成貨物列車を現行ルールに対応しながら安全に運行することができ、物流業者にとっては輸送コストの削減が実現するなどメリットが期待されている。

イタリア、フランス、ベルギー、ドイツ、スペイン、スウェーデン、スイスが参加するプロジェクトチームは先ごろ、リヨン~ニーム間で全長1.5キロメートルの長編成貨物列車の初運行実験を行った。積載貨物の重量は4,000トン、最高時速は100キロだった。同チームによると、750メートルの標準的な列車2本、あるいは500メートルの列車3本を連結して実験を行ったところ、列車の連結に要した時間はわずか15分未満で、輸送コストは最大30%削減されたという。

プロジェクトのコーディネーターを務める伊エンジニアリング会社ダポロニアのカスタネッティ氏は、「欧州の貨物輸送における全く新しい時代の幕開けだ。プロジェクトは、ジャンボジェットがDC9よりも同じ区間でより大量に輸送できるということと同じ原理に基づいている。今回の成果は、比較的小規模なプロジェクトとしては信じられないようなものだ」と語った。

マラソン・プロジェクトは2011年4月にスタートし、14年9月まで行われる予定だ。プロジェクト費用は444万8,869ユーロで、このうちEUから269万9,992ユーロの補助を受けている。

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