独フォルクスワーゲン(VW)傘下の高級車大手アウディは14日、メキシコのプエブラ州サンホセチアパでサプライヤーパークの鍬入れ式を行った。今後10年間でサプライヤーパークの直接雇用で1,000人、周辺事業も含めると全体で2万人の雇用を創出できると見込んでいる。
アウディはサンホセチアパに新工場を建設しており、2016年にスポーツ多目的車(SUV)「Q5」の第2世代モデルの生産を開始する計画。サプライヤーパークからジャストインシークセンス方式で部品の供給を受ける。
■ 現調率は65%以上に、18年には90%に拡大
サンホセチアパ工場ではすでに、フロントガラス、タイヤ、コックピットの電子部品などサプライヤー130社が決まっているという。アウディのベルント・マルテンス取締役(調達担当)が独業界紙『オートモビルボッヘ』に明らかにしたところによると、北米自由貿易協定(NAFTA)圏からの現地調達率はすでに65%を超えており、2018年までに90%に引き上げる計画。年間の現地調達コストは現調率が65%の場合で14億ユーロ、90%になると約19億4,000万ユーロになるという。
また、サンホセチアパ工場では2016年5月に生産を開始する計画で、当初の生産規模は15万台としているが、部品メーカーと15%の増産にも対応できる柔軟性を持たせることで合意しているため、問題なく生産規模を18万台に引き上げることが可能という。また、まだ決定はしていないが、同工場で「Q6」を生産することも検討しているという。また、ZF、ペグフォーム、ボッシュ、ゲスタンプ、HPペルツァーなど、サンホセチアパ工場のサプライヤーとなることが現在決定している部品メーカーはすべてVWとも取引関係にあるという。
アウディのメキシコ工場では4月末までに650人の採用を終えており、従業員数は年内に1,000人、2016年の生産開始時には3,800人になる予定。