欧州の自動車市場は回復の兆しが見えつつあるが、大手サプライヤーは慎重な見通しを崩していない。16日付けの自動車専門誌『オートモーティブ・ニュース・ヨーロッパ(ANE)』が伝えた。
西欧の新車販売台数は2014年1~3月に前年同期比7%増となり、自動車市場は6年間続いた低迷から抜け出しつつあるとの印象を与えた。多くの調査機関が14年通年の新車販売は前年比2.5~3%の増加を予想している一方で、ロバート・ボッシュ、コンチネンタル、TRWオートモーティブ、オートリブ、フォルシアなどの大手サプライヤーは、今年の欧州の自動車生産は前年比1~2%増の低い伸びにとどまるという従来の見方を変えていない。コンチネンタルのシェーファー最高財務責任者(CFO)はANE誌の電話取材に対し、昨年下半期と状況は変わっていないとの見方を示した。同社は今年の欧州のライトビークル生産台数が前年比で1%の伸びにとどまるという厳しい見方を示している。
サプライヤー各社が慎重な見通しを維持している理由としてシーファーCFOは、南欧諸国の経済の低迷が続いていることと、欧州の自動車の平均車齢が比較的低いことを挙げる。一方、ジョンソン・コントロールズのユルス副社長は、同社のように景気変動に強い製品ポートフォリオを持つサプライヤーは楽観的な見通しを持っていると強調。今年の欧州事業は「安定した成長」を見込んでいると述べている。