フランス政府は、ディーゼル車に対する規制を強化する方針だ。ヴァルス首相は11月28日、来年から汚染物質の排出量によって車両をランク付けするシステムを導入すると発表した。これにより、自治体は汚染物質の排出量が多い車両の乗り入れを制限することができるようになる。
フランスでは軽油への優遇税制などを背景にディーゼル車が好まれており、乗用車に占める比率は8割に達する。ヴァルス首相は政府主催の環境会議での講演で、「フランス人は長らくディーゼルエンジンを愛してきたが、これは誤りだった。今後は知性と現実主義をもって徐々に正していく」と述べた。政府は先ごろ、軽油に対する石油製品特別税(TICPE)の税率を2%引き上げることを決定した。
英自動車雑誌『オートカー』は、フランス政府のこうした政策は、欧州自動車市場におけるディーゼル車の優位が崩れるひとつの兆しであると指摘する。専門家はすでに、欧州連合(EU)の排ガス基準の厳格化とディーゼル燃料の値上がり、ガソリンエンジンの効率向上などによって、ディーゼル車の販売が減少する可能性があると警告している。