ロシア政府は国内自動車産業の保護政策を強化する。21日発行の独経済紙『ハンデルスブラット』によると、同国では国内の生産規模が年30万台以上に達する国外自動車メーカーを対象に、部品の輸入関税を優遇する新政令が3月1日付で発効する。独自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)は、同条件を満たすため、ロシアの自動車メーカーGAZと近く、生産委託契約を締結するもよう。
\『ハンデルスブラット』紙によると、VWは昨年の秋からGAZと交渉してきた。VWはカルーガの自社工場で15万台を生産し、残り15万台をGAZに生産委託するもよう。具体的には、シュコダの「オクタビア」と「イエティ」、VW「ジェッタ」をそれぞれ年5万台、生産委託する見通しと報じている。
\また、同紙によると、ロシア政府は国外自動車メーカーに対し、国内で生産する車両の部品現地調達率を60%に引き上げることを輸入関税優遇の条件に加える方針。ただ、同国では高品質の部品を供給できるメーカーが少ないことも問題となっている。
\ \■ 大手自動車メーカー、現地メーカーとの生産提携を活発化
\ \ロシアでは大手自動車メーカーと現地メーカーとの生産提携が相次いでいる。独ダイムラーは昨年12月、GAZとメルセデス・ベンツの商用バン「スプリンター」を共同生産することで合意した。エンジンや変速機などの主要部品も生産する。ダイムラーはこれまでにも、ロシアのトラック大手カマズに資本参加し、トラックの生産で協力するなど、現地での生産体制の強化を進めている。
\また、米ゼネラルモーターズ(GM)は今年2月、GAZと乗用車の共同生産で合意したと発表した。
\一方、フィアットはロシア同業のソレルスと生産提携に向けた協議を続けてきたが、今月18日、交渉の打ち切りを発表した。ソレルスは同日、米フォードと合弁会社を設立する計画を発表している。
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