2010/1/25

産業・貿易

イラクとエネルギー協定、ナブッコへのガス供給に期待

この記事の要約

欧州委員会は18日、EUとイラクがエネルギー分野での関係強化を目的とする「戦略的エネルギー・パートナーシップ」に関する覚書に署名したと発表した。EUは全般的なエネルギー政策や再生可能エネルギーなどの分野でイラクを支援する […]

欧州委員会は18日、EUとイラクがエネルギー分野での関係強化を目的とする「戦略的エネルギー・パートナーシップ」に関する覚書に署名したと発表した。EUは全般的なエネルギー政策や再生可能エネルギーなどの分野でイラクを支援する一方、エネルギーの安定供給を図るため、イラクから石油や天然ガスの供給確保を目指す。

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エネルギー協定の覚書は欧州委のピエバルグス委員(エネルギー担当)とイラクのシャハリスターニ石油相がバグダッドで署名した。覚書は◇イラク国民のためのエネルギー政策◇イラク・EU間のエネルギー安定供給◇再生可能エネルギー◇エネルギー効率の向上――の4項目を協力分野に掲げている。

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ピエバルグス委員は声明で「EUがエネルギーの安定供給を確保するうえでイラクは極めて重要な存在だ。イラクはEUにとってすでに重要な石油供給国であり、南部回廊への主要な天然ガス供給源になる可能性もある」とコメント。EU側が再生可能エネルギーの技術開発などで積極的にイラクを支援する考えを示した。

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EUは調達先の多様化を通じたエネルギー分野におけるロシア依存からの脱却を目指しており、イラクをエネルギー資源の有望な調達先の1つと位置付けている。とりわけロシアを迂回してカスピ海周辺の天然ガスを欧州に運ぶナブッコ・パイプラインへのガス供給をイラクに期待しており、今後、覚書に基づいて具体的な交渉に入るものとみられる。

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