2010/7/12

産業・貿易

欧州議会が輸入木材の規制案採択、違法伐採防止に向け2012年施行

この記事の要約

欧州議会は7日、違法に伐採された木材や木材製品のEU域内での輸入・販売を禁じる規制案を賛成644票、反対25票で採択した。開発途上国などでの違法な伐採を抑え、世界規模での森林破壊を防止することを狙ったもの。すでに加盟各国 […]

欧州議会は7日、違法に伐採された木材や木材製品のEU域内での輸入・販売を禁じる規制案を賛成644票、反対25票で採択した。開発途上国などでの違法な伐採を抑え、世界規模での森林破壊を防止することを狙ったもの。すでに加盟各国は合意しているが、農相理事会での正式な承認を経て2012年末には施行される。

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違法な伐採はアマゾンや中央アフリカ、東南アジア、ロシアで多く、国連によれば世界中の木材製品のうち20~40%に当たる3億5,000万~6億5,000万立方メートルを占めるとされる。EU域内に輸入される木材の約20%が違法伐採によるものとみられている。

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新規制では、輸入業者は木材が合法的に伐採されたことを証明する保証を取得することを義務付けられ、これに違反すると罰金を科せられる。また、家具販売業者など取引業者は使用する木材の原産地や伐採について追跡できるようにしなければならない。各国政府は2年以内に違反者に対する罰則などを定め、これが完了する2012年には規制が導入される。

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環境保護団体は新規制を歓迎しているものの、施行まで2年間の猶予があることや紙製品については5年間の免除期間がある点を批判している。

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