2011/5/16

総合 –EUウオッチャー

EUがシリア制裁を発動、反政府デモ弾圧で

この記事の要約

EUは10日、シリアに対する制裁措置を発動し、武器禁輸と政権幹部の一部に対する域内への渡航禁止、域内資産の凍結を実施した。\ 制裁対象となったシリア政府高官は、反政府デモに参加した国民に対する暴力的な取り締まりに責任を負 […]

EUは10日、シリアに対する制裁措置を発動し、武器禁輸と政権幹部の一部に対する域内への渡航禁止、域内資産の凍結を実施した。

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制裁対象となったシリア政府高官は、反政府デモに参加した国民に対する暴力的な取り締まりに責任を負うとされる13人。デモ鎮圧を主導するシリア軍第4師団を指揮するアサド大統領の実弟マーヒル・アサド司令官および情報当局トップ、内相などが含まれる。アサド大統領は対象外としたが、今後、制裁対象となる可能性もあるという。

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シリアでは、今年3月から反政府民主化デモが続発。政治犯の釈放や非常事態解除を求めるデモも各地で発生し、これまでに数百人の市民が死亡したとみられている。人権活動団体によると、ここ2カ月間の死者はすでに600人を超えており、収監されたとみられる人は、行方不明者を含めて8,000人に上っているという。政府は先月、治安法廷の廃止と1963年に発令した非常事態令の撤廃を決定したが、反体制派によるデモが鎮静化に向かう様子はなく、軍部隊による鎮圧が図られている。

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