2011/5/16

総合 –EUウオッチャー

EUのポルトガル支援、フィンランド議会が承認

この記事の要約

フィンランド議会は13日、財政危機に直面するポルトガルに対するEUの金融支援を承認した。ポルトガル支援への対応が不透明だったフィンランドによる支持が固まったことで加盟国の足並みがそろい、同支援は16日に開かれるユーロ圏財 […]

フィンランド議会は13日、財政危機に直面するポルトガルに対するEUの金融支援を承認した。ポルトガル支援への対応が不透明だったフィンランドによる支持が固まったことで加盟国の足並みがそろい、同支援は16日に開かれるユーロ圏財務相会合、17日のEU財務相理事会で承認されることが確実となった。

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フィンランドでは4月中旬に行われた総選挙で、ポルトガル支援に反対する反EUの右派政党「真のフィンランド人」が第3党に躍進。無条件での支援に難色を示す社会民主党も第2党となった。フィンランドはEUで唯一、ポルトガル支援に議会の事前承認が必要なことから、第1党・国民連合と両党などの協議に注目が集まっていた。

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同問題をめぐる協議では、真のフィンランド人が支援反対を貫き、12日に連立交渉から離脱した。しかし、社会民主党が条件付きで支援を認めることで合意。その他の主要政党も支持に回った。この結果、13日に開かれた各会派の代表による議会委員会で、賛成多数で支援が承認された。

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EUは国際通貨基金(IMF)と共同で、ポルトガルに3年間で総額780億ユーロの融資を行うことを先ごろ決定。EUが520億ユーロ、IMFが260億ユーロを負担することになっている。融資の詳細は、同国で6月5日に実施される総選挙で発足する新政権が条件を詰めてから最終決定される。

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融資条件をめぐっては、欧州委員会のレーン委員(経済通貨問題担当)が10日、EUによる融資の利率を5.5~6%とする意向を表明した。これによりポルトガルは、このところ利回りが9%を超えている10年物国債を大幅に下回る水準で資金を調達できることになる。

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財政危機で最初にEU、IMFから総額1,100億ユーロの融資を受けることが決まったギリシャの利率は現在約4%。675億ユーロの融資を受けるアイルランドは5.8%となっている。EUのポルトガルに対する利率はギリシャを上回り、アイルランドとほぼ同水準となる。

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