2011/5/16

環境・通信・その他

携帯ローミング料金、欧州委が新規制検討

この記事の要約

欧州委員会はEU域内の他の国で携帯電話を使用する際の料金を引き下げるため、6月をめどにローミング料金に関する新たな規制案を打ち出すもようだ。複数のメディアがEU関係筋の話として報じたもので、ウェブサイトを閲覧する際などに […]

欧州委員会はEU域内の他の国で携帯電話を使用する際の料金を引き下げるため、6月をめどにローミング料金に関する新たな規制案を打ち出すもようだ。複数のメディアがEU関係筋の話として報じたもので、ウェブサイトを閲覧する際などに発生するデータローミングのリテール料金に初めて上限が設けられる見通しだ。

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EUでは2007年に初めて携帯ローミングの料金規制が導入され、音声通話やデータ通信にかかる料金が段階的に引き下げられている。しかし、実際には事業者の多くが規制の上限に近いローミング料金を設定しており、国内料金との間には依然として大きな格差がある。

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EUが昨年まとめた情報通信技術(ICT)分野の新戦略「デジタルアジェンダ」は、2015年までに域内の他の国で携帯電話を使用する際の料金水準を国内料金と同等にするという目標を掲げており、欧州委は単一市場の実現に向けて具体策の検討を進めていた。

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EUでは07年に「携帯電話のローミングに関する規則」が施行され、他のEU諸国で通話する際の料金は以前に比べておよそ60%引き下げられた。09年には国外でのSMSやデータ通信にかかる料金に上限が設けられ、さらに消費者保護の観点から、昨年7月からはユーザーが事前に申請しない限り、1カ月のデータ通信料が50ユーロに達した時点でサービスを停止するシステムが導入されている。

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AFP通信などによると、国外での通話料金(発信時)は現在の1分当たり最大0.39ユーロから来年には0.32ユーロ、14年までに0.24ユーロに上限が引き下げられる。また、国外からテキストメッセージを送信する際の料金は1分当たり0.11ユーロから来年以降は0.1ユーロに制限される。さらに来年7月以降は国外で動画や音楽をダウンロードしたり、ウェブサイトを閲覧する際にかかるデータローミングのリテール料金が初めて規制の対象となり、1メガバイト当たりの上限は当初の0.9ユーロから13年には0.7ユーロ、14年には0.5ユーロに引き下げられる。

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