2011/8/1

総合 –EUウオッチャー

EUがアフリカに追加支援、飢餓の深刻化で

この記事の要約

欧州委委員会は7月27日、過去60年で最悪の干ばつ被害を受け、飢餓が深刻化しているアフリカ東部の「アフリカの角」地域などに対し、総額約1億5,800万ユーロの資金援助を行うことを明らかにした。すでに決定している今年の支援 […]

欧州委委員会は7月27日、過去60年で最悪の干ばつ被害を受け、飢餓が深刻化しているアフリカ東部の「アフリカの角」地域などに対し、総額約1億5,800万ユーロの資金援助を行うことを明らかにした。すでに決定している今年の支援額7,000億ユーロに加え、2,780万ユーロの追加支援を速やかに実施するほか、欧州委のゲオルギエヴァ委員(国際協力・人道援助・危機対応担当)が求めている6,000万ユーロの追加について具体策を検討する。

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ソマリアでは約370万人が飢餓に直面していると推定されるほか、ジブチ、エチオピア、ケニア、ウガンダでも数百万人が干ばつによる食糧危機にあえいでいる。ソマリアの一部地域については、国連が20日に飢餓発生を宣言。国連食糧農業機関は25日、被害地域の拡大に対する懸念を表明するとともに、国際社会に大規模かつ緊急の援助を要請した。

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ソマリアのドーロー地区とケニアのダダーブ難民キャンプを訪問したゲオルギエヴァ委員は、「アフリカの角で発生している未曾有の危機には、過去に例をみない対応が求められる」と述べた。

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同委員はまた、将来の危機を回避するためには、干ばつ対策向けの投資が不可欠と指摘。欧州委の人道支援予算のうち、干ばつ予防対策をはじめとする災害被害軽減プログラムに充てられるのが全体の8~10%に過ぎない点を指摘するとともに、こうした状況を変える必要があると訴えた。

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