2011/8/1

環境・通信・その他

革新的エコカーにCO2排出枠付与、欧州委が環境技術の投資促進策

この記事の要約

欧州委員会は7月25日、自動車の二酸化炭素(CO2)排出量を削減する新技術への投資促進を目的とする新規則を発表した。EUが認定したCO2排出削減につながる「エコ・イノベーション(環境保護のための革新的技術)」を新車に搭載 […]

欧州委員会は7月25日、自動車の二酸化炭素(CO2)排出量を削減する新技術への投資促進を目的とする新規則を発表した。EUが認定したCO2排出削減につながる「エコ・イノベーション(環境保護のための革新的技術)」を新車に搭載したメーカーに対し、投資の見返りとしてCO2排出枠を付与するという内容。欧州委はエコ・イノベーションの認定基準や申請手続きなど詳細を詰め、近く新制度の運用ルールをまとめる。

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EUは域内で販売される新車(乗用車)を対象に、2012-15年までに走行1キロメートル当たりのCO2排出量を平均130グラム以下に抑える規制の導入を決めている。各メーカーは12年に目標の65%、13年には75%、14年には80%、15年には100%の達成が求められ、目標を達成できなかった場合は超過1グラムにつき1台当たり5ユーロ、4グラム目以降は同95ユーロ(19年以降は1グラム目から95ユーロ)の制裁金が科される。新制度の導入により、各メーカーはエコ・イノベーションを搭載することで走行1キロメートル当たり最大7グラム分のクレジットを取得することができる。欧州委は環境技術への新たな投資奨励策を通じ、CO2排出規制の目標達成に向けた自動車メーカーの取り組みに弾みがつくと期待している。

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欧州委はエコ・イノベーションの認定要件として◇初めて市場に投入された技術であること◇CO2排出量を大幅に削減する◇安全性を損なうことなく駆動力やエネルギー効率を高める――などを挙げている。これによると、電気自動車向けのソーラーパネルなどはエコ・イノベーションとして認定される可能性があるが、たとえばエネルギー効率の高い車載オーディオシステムなどは自動車本体のCO2排出量と関係がないため対象外となる。

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